DJとしての人間性。

ADAM全盛期を客としてよく知ってる身からすると、
どうして自分がADAMでDJしてるのか、
全く分からないんだけど、
オーガナイザー曰く、
『技術じゃなくて、お前の人間性で選んだ』
そうです(苦笑)
DJとしては、喜んでいいんだか、どうなんだか微妙。

『お前がいれば楽しくなりそうだから』
まぁ、自分でもそれはそうかもしれない、とは思うけどさ。
大体…自分が楽しくなきゃねぇ。楽しいイベントになるわきゃない。
そりゃね、準備とか、ミーティングとか、そういうときにはシリアスなこともあるよ、
僕だって自分のイベントをやってたし、やってるからよく分かる。
でも、それはイベントが始まるまでのこと。
なぜ、シリアスな話を長々としたり、口論になったりしてるか?と言えば、
イベントを楽しむためなわけでしょう。
僕が、メトロやADAMのスタッフになることを敬遠してたのは、
内側にはいることで、心から楽しむことが出来なくなる気がしてたから。

でも成り行き上とは言え、こうなってしまったからには、
もうね、全力で楽しむしかないんですよ。
DJとして自分が出来る事なんてたかがしれてる。
自分のプレイ一つで、客のテンションを0から100にまで持っていけるとは思ってない、
それは、SHINOMIYAや、MIEちゃんのお仕事。
僕の仕事は…テンションを下げないこと、イベントが始まるよ、という前座。
ビートルズの前のドリフの様な(笑)
あとは、2人(+ゲスト)が絶対に出来ない、
楽しみ方をすること、かな。
客も、DJも、楽しむためにわざわざ、このクソ寒い中をやってきてるんだろう?

今でも僕は自分をDJだなんて思ってないから、
(もちろん、DJとしての仕事はきちっと出来るようになるべきだし、なりたいけど)
人間性を評価されたことは嬉しく思う。
友人の言葉だしね、イベントどうこう以前に大事なことだと思うよ。
(オーガナイザーとしてそれで良いのか、と今でも思うけど(苦笑))

僕はつまり、触媒。
DJと客、DJとクラブ、DJとDJ、クラブと客、それらを巻き込むことで、
それらに関係性を持たせて、
無理矢理にでも楽しんじまおうぜ、
役割的には、ヒップホップイベントのMCに近いな。

昨日もやってて思ったけど、やっぱり俺って、ロックイベントなHOUSE DJだな、と。
クラブを知らない人は、何行っても同じだろうけど、やっぱり違うんだよね。
客へのアプローチの仕方とか、プレイのデザインの仕方とか。
僕のDJには流れがない。
でも不思議なことに、上に行けば行くほど、全てのジャンルで同じ形になってくる。
それはつまり、DJと客の独立、
DJのプレイや煽りに答える客の向く方向はDJではない、
それは、そのイベントと音に向かう。
これは、アリとあらゆるジャンルとイベントで、そして良質で在ればあるほど、顕著だと思う。
そこまで行けば、僕のような触媒にすることはもう無い、
客と一緒に飲み、踊り、歓声を上げればいい。

僕はそうした場所に身を置きたいし、だからクラブに通う。
残念ながら全てのイベントがそうではないし、全てのDJがそう考えているとも限らない、
ただ、僕が理想とする形は、そういう形。
絶対に、DJと客の一体感ではない、客のテンションがDJにリンクしているけど、
客が客として独立し、イベントと音に対して声を上げるとき、
DJや箱ではなくて、イベントが姿を現す、のだと思う。

このイベントがどうなっていくかは知らない。
案外、あっさりと、3ヶ月くらいで打ちきりになるかもしれない。
(最近ずっと、客入ってないしな…)
でもま、そんなことは気にしたってしょうがないさ。
たとえそうだったとしても。
それまで、楽しくやろうぜ。

な?