常総学院

甲子園の試合について
なにがしか書こうと思ってたんだけど、
ちょうどなんやかやと自分の中であった時期だったので、
書き逃しちゃってた。
いろんな切り方があるんだけど、
今回は野球の違いについて書く。

常総学院というと、大会前から、
名将・木内監督の引退が大きく取り上げられていて、
その手腕は『マジック』などと呼ばれていた。
まぁ…監督がいかに名将だろうと、
所詮プレイヤーは高校生なんだし…と思ってたけど、
母校の試合を観戦した限りでは、全く野球が違ってた。驚いた。

結果は7?0で常総学院の圧勝だったんだけど、たとえば先取点。
静岡高校の先発川口の制球が乱れて、ノーアウトランナー3塁、
先取点のチャンス。
静高応援スタンドは、打ってくるぞという空気に満ちていたが
僕にはスクイズも十分ある、と思っていた。
というのも、ベンチ・バッテリーともに、
浮き足立っているのがわかったし、
内野手もかなり無警戒だったからだ。
そして、案の定スクイズを決められ、ノーヒットで1点。

同じようなランナー3塁の場面でも、点差があって、
ランナーも連打で進めたような場面ではヒッティング。
おそらく、アウトカウントを無駄に増やして
流れを切るのが嫌だったんだろう。
今度は、無駄に警戒して、カウントを悪くしてしまって、パスボール。

采配は、マジックではなく、理由と結果があるだけなのだが、
高校生の野球をしていた静高では歯が立たなかった。
四球と失策で大差は付いたが、能力は差がなかった、
でも、何度やっても勝てない、そんな野球の違いがあった。

そういう野球を実践できる人が現場を去るのは惜しいなぁ…
きっと、教育者としても一流じゃないだろうか。
すばらしいものを見ると、たとえ結果が母校の大敗でも、
すごく清々しい気持ちになれる。