AT車のローギアを駆使するタクシードライバー
先日、カフェでのランチ営業のあと疲れ果てて信頼できるM社のタクシーに乗って帰宅していたのですが、そのドライバーがヤケに気合い入って運転する人で。もともとM社のタクシードライバーは良くも悪くもタクシードライバーらしくない人が多いんですけど、運転大好きとか運転得意とか言う人はあんまり少ないのでちょっと興味深く見てしまいました。 注目すべきはそのギア操作。 タクシーはAT車ですから、普通は走行中ギアに手をやることは稀です。AT車ってのは、基本的にはアクセルとブレーキだけで走行できる車ですから、走行中はギアは「D」に入りっぱなしで、駐停車するときにPを、長い下り坂で「ロー」を使うくらいですよね。 でもその時の彼は違いました。まるでMT車に乗ってるかのように、スピードが落ちると自分でセカンド、ローに入れてるんですよ。それ多分車が勝手にやってくれてますよと思うんだけど、確かに自分でギアを入れた方が立ち上がりがいい。気がする。彼の前職はわからないけど、彼の中では明らかに「1速」→「2速」→「D」(3速以上)という捉え方でAT車を操っている模様。 「僕は止まらずにお客様を目的地までお届けするのが信条なんです」とにこやかに笑う初老の男性は、軽快なギアワークで路地を快調に進み、確かに普段より1メーターか2メーター分安い値段で家まで着いてくれました。運転自体は危険ではなかったし、スピードをめっちゃ出すというわけでもなかったんで、ルート選択とギアコントロールの賜かなあと思うわけですが、しかしなんだろう、僕はMTで免許を取ったから興味深く見る部分もあったけれど、でもタクシーの運転手がギアを変えまくるのって今見ると妙に焦って運転してる感じがして落ち着かないですね(笑) 昔は普通だったんだろうけどなあ。 それ以来、彼の車には乗り合わせていませんが、機会があったらもう一回乗ってみたいなあ。 エンターテイメントとして、楽しい。