ただ静岡のみかん生産量の印象は、
かつては生産量日本一だったけれど、年々生産量が減って今でも上位にはいるけれど日本一には遠く及ばない
静岡がもはや日本一ではないと聞いて寂しく思った記憶もあるんだけど……実際のところどうでしたっけねえ。そもそも「日本一だった」というのが勘違いかも知れないし、今でも十分多いのかも知れないし。それを確かめるべく「平成30年都道府県別ランキング」を参考に上位6県を選び、その生産量(収穫量集)の推移をグラフにしてみました。
データ
農林水産省「作物統計調査/作況調査(果樹)/長期累年」グラフ作成用資料 @ Googleドライブ
みかん 収穫量推移(1973-2018)
1980年頃までは愛媛が圧倒的1位、次いで静岡、和歌山という順になっていましたが、収穫量が全体的に減少していく中で1980年以降は静岡は2位に、2004年頃からは愛媛に代わって和歌山が1位になりました。その後長らく1位・和歌山、2位・愛媛、3位・静岡の順だったのですが、静岡は2017年に収穫量が減少して熊本に抜かれ4位に落ちた一方で2018年には逆に大幅に増えて、最新の統計では1位・和歌山、2位・静岡、3位・愛媛となっています。
全国的に収穫量は減っていますが、今でも静岡は検討しているんですね。知りませんでした。まあ、みかん畑ってだいたい山にあるし、畑の維持も大変なんですよね。後継者の問題もあるでしょうし、耕作面積が減るのは仕方が無いかな……
静岡みかんのサイトでは今でも日本一と書かれている
JA静岡が作成している「静岡みかんスペシャルサイト」というのがあります。静岡みかんスペシャルサイト:JA静岡経済連柑橘委員会
ここには「みかん王国!静岡県」「普通みかん収穫量全国1位!」と書いてあって、んん?となるのですが、どうやらみかんの統計には「普通温州みかん」と「早生温州みかん」のふたつがあり、それを合計したものが「みかん」の統計になっているみたいです。静岡みかんのサイトで「全国1位」と書かれているのは「普通温州」のことみたいですね。
こちらの推移もそれぞれ見てみましょう。
普通温州/早生温州 収穫量推移(1973-2018)
わかりやすいですね。
普通温州は2000年以降は愛媛の収穫量が落ち、静岡がずっと1位になっています(収穫量が落ち込んだ2017年も何とか1位)。2位の和歌山とは差があるので、「普通温州みかんは静岡が収穫量1位」と言って差し支えなさそうです。
一方で早生温州の方は様相が違い、静岡の収穫量はかなり少なく和歌山の1/3程度しかありません。早生温州の収穫量で目立つのは熊本で、和歌山、愛媛に続く第3位になっています。生産者の傾向や品種の違いによるものなんでしょうけれど、この部分の差がみかんの統計で和歌山、愛媛が静岡より上位に来る理由になっていそうですね。
まとめ
僕の印象では静岡のみかん生産量はもう少し減っていて、いまや和歌山、四国、九州勢が上位を占めているもんだと思っていました。もう1位は遠く及ばないもんだと。でも意外にそうでもなかったです。みかん収穫量和歌山とは差がありますがそれでも今や愛媛と同じぐらいの収穫量であり、普通温州みかんに限ると余裕を持って収穫量第1位。結論:今でも静岡はみかん王国でした。
そうだったのか。