この話の出所は、西日本新聞社発行のブックレット「食卓の向こう側」で、本書を購読した人によるとエピソードは書かれているがソースは不明とのこと。「影響が大きいのでコンビニ名は公表出来ない」ということらしいけれど、養豚農家は公表されても良いのでは無いか?まあそもそも、広がる大元がみんな大好き安心のデタラメ率マイニュースジャパンなので、「あっ(察し)」という感じですけれども。
豚にコンビニ弁当与え奇形・死産続出「具体名公表するとパニックになる」:MyNewsJapan
でもって、ブックレット内のエピソードはどこの誰がこの実験をしたのか分かんないんですが、コンビニ弁当を飼料に再利用しようという試みは実際に行われており、その結果も報告されているそうです。
三田川-blog:「コンビニ弁当で養豚奇形」情報はどう広がった?
●コンビニ弁当の飼料化は、いくつかの研究機関が検討しており、死産や奇形などの研究結果は報告されていない。宮城県畜産試験場が1999?2001年度に行った研究では「コンビニ弁当廃棄物は粗脂肪が多く養豚用飼料としてそのまま給与することは難しいが、簡便に市販配合飼料と配合し給与する場合、30%程度までの配合であれば、産肉性、肉質等にほとんど影響がない」という結果が出ている。
宮城県畜産試験場・「食品残さの養豚飼料としての利用」
http://www.pref.miyagi.jp/res_center/3laboratories/spread/no77/sankou/no77s16.pdf
三田川-blog:「コンビニ弁当で養豚奇形」情報はどう広がった?
当時は、食品残さの飼料利用がおおいに脚光を浴びていた時期で、さまざまな事例が公表されていました。社団法人畜産技術協会等は、「畜産経営における食品残渣等利活用のために」をまとめています。が、そうした事実は、無視されてしまいました。
http://jlta.lin.gr.jp/report/detail/pdf/kokunai_h017-03.pdf
なるほど。ブックレットの執筆者はこれをどう説明するんですかね?実際は問題のある研究結果が出たのに隠蔽しているとでも?まあそう言われたら「そうですね」と作り笑いで呆れるしかないんですけれども、仮に長い目で見て食品添加物に生物への影響があったとしても、4ヶ月程度で奇形や死産などの激烈な影響が出るわけないんですよ。こういう話を鵜呑みにする人に問いたい、君らは、食品添加物の安全性評価をなんだと思っているのか。
まあ、食品添加物を敵視したい人にとっては、とても都合の良いエピソードだとは思います。適度にあやふやで、ソースも微妙だけど西日本新聞社というちゃんとしてそうな会社がバックにいて、エピソード自体も十分に怖い。だけど、もし本当に食品添加物の危険性を訴えたいと思っているんだったら、こんな話信じちゃダメですよ。この話が嘘だって言いたいんじゃ無いです。食品添加物は安全だって言いたいわけでも無い。そうではなく、信じるに足るだけの根拠が無いのに信じるのはおかしいってことです。信じるに足るだけの根拠がない話を、どうやって、その話を信じない人に信じさせるんですか?私たちはバカです、って言ってるようなもんじゃないですか。
「コンビニ弁当 豚」で検索すると、危険を煽る記事がいっぱい出てきますが、まあ全部ソースは同じなので1つ読めば十分です。その上で、合わせて次の記事を読んで下さい。特に2つ目のシトラスの記事は、これから出産される人にとっては重要なテキストになると思います。それでもなお、この話を信じるというのであれば、もう言うことはありません。どうぞお好きになさって下さい。
コンビニ弁当を豚の餌にしたら奇形続出はデマじゃなかったの?
なぜ「奇形が生まれる!? コンビニ弁当」というエセ記事が生まれてしまうのか? | citrus(シトラス)
こういうの、いつまで信じるんでしょうかねえ。繰り返し繰り返しあるこういう適当な煽り話、いい加減「あれこれって怪しいんじゃない?」って気付くセンスが磨かれても良いと思うんですけどね。馬鹿な人はいつまでも騙されるってことなんでしょうか。僕にはよくわかんないですよ。マジで。