「それで、誰に決定権があるんですか」と僕は聞いた
「いい加減あれ、何とかした方が良いですよね」という類の愚痴を聞き続けて数ヶ月になるのだけど、「それ」をどうしたいと提案した結果どうなったのか、もしくはなぜ採用されないのか、その判断を誰がしたのか、といった具体的な話が出てくることがなく、あいかわらず「いい加減あれ、何とかした方が良いですよね」「こうすればいいのにね」という社員同士の他人事な会話ばかりが聞こえてくるのがさすがに気になってきたので、バイトの立場から見てて思うのですけど、という前置きをした上で、「それで、それ誰がやるんですか?誰が決めたら出来るんですか?」と質問してみました。答えとして、現場にいる下っ端の社員の名前が出てきたけど、いやそれ絶対違いますよね?
一般的には是非の判断、決定権は管理者、この場合であれば店長にあるはずで、店長の決断を持って必要であれば社長の決裁を受けるというのが普通の仕事の流れのはず。というか、下っ端社員にはそもそもそんなことを独断で進められる権限は与えられていないはずで、いつまでも物事が動かない責任を現場の彼に着せるのはさすがにお門違い。
誰に決定権や責任があるのかをはっきりさせることを避けたり、上手く進んでいないことの責任を偉い人に持っていくことを避けたりするのは、日本的だなあと思う一方で、会社組織としては悪い習慣だと思うのですよね。そういうところなんだと思うんですよ。組織の小ささや、決定権を持つ人との近さを生かし切れていないところは。組織が小さいと言うことは、誰が責任者か解らないけど絶対進めた方が良いと思う案件について「僕が責任取ります」と手を上げることが出来るというメリットを持つはずなので。
別に社員が怠惰というわけではなく、やる気が無いわけでも責任感が無いわけでもないのですけど、ただそういうことを会社としてどういう手続きで決定していくか曖昧な部分があって、下手に何かすると怒られるんで言わないみたいな空気感があるような。社員じゃないんで見た感じそうかなというだけなんですけど、なんとなく。言ってみれば僕だって「バイトだから」という理由で責任を取ろうとしてないわけで、そう考えると同じか。「いい加減あれ、何とかした方が良い」と思ってるのなら、店長でも社長でも直接言いに行ったら良いんだよね。社員は別に頭越しに話されて気悪くするような小さい人たちでもないし。
フードコートでは割と決定権を持たせてもらっていて、それについて社長が言っていたのが「なんでも自由にやって良いけど、きちんと決断し、その決断の責任を取れ」。責任を取るというのは要するに、上手く行かなさそうなら修正し上手く行くようにしろとか、周りにきちんと伝えて自分がいなくても滞りなくいくようにしろとか言う意味だろうなと解釈してるんですけど、決定権は全くないバイトの立場の店舗でも、必要だと思ったら行動しちゃった方が良いのかも知れないですね。どうせ誰も動かないなら。で、誰に決定権があって提案を実現するにはどう手続きしていけば良いかを明らかにしていけば、次の人も動きやすいだろうしね。
結局、何かを改善出来るかどうかは、改善のアイディアとか閃きとかそういうことではなくて、改善のための手続きがきちんと整備されているかに大きく左右されていると思うのです。それがないと幾多のアイディアが検討すらされないまま忘れられていくだけなので。そういうことを大事に出来ると、いろいろなことがもっと素早く進むようになると思うのになあ。
自分の立場が少し歯がゆい。