前回からしばらく値動きがなかったんですが、先週あたりから円安が急速に進んで久しぶりに100円台に乗せました。
何があったんだろうと思って振り返ってみると、アメリカの中央銀行総裁に当たるFRB議長に就任予定のイエレン氏の発言、また麻生太郎財務大臣の為替相場に対する発言が影響を与えている模様。
ドルが回復、イエレン氏のハト派的発言にサプライズなく | マネーニュース | 外国為替 | Reuters
14日終盤のニューヨーク外為市場では、ドルが主要通貨に対して上げ幅を維持し、前日の下落分を回復した。米連邦準備理事会(FRB)の次期議長に指名されたイエレン副議長が上院銀行委員会の指名承認公聴会で証言し、経済成長を促す量的緩和策の正当性を主張。ネガティブサプライズが全くなかったことが好感された。
イエレン氏の証言原稿が事前に公表された段階で、投資家はすでにドル売りポジションの解消に動いていた。
ユーロ圏の第3・四半期の域内総生産(GDP)速報値が前期比0.1%増と、第2・四半期から伸びが鈍化したことや、日銀による円安維持のための通貨介入の思惑が高まったことを背景に、ドルは対ユーロと円で回復した。
ドル/円は、麻生太郎財務相が、市場の過度の変動に備えて為替介入という政策手段を有しておくことは大事だと国会で発言したことを受け、一時100.14円と2カ月ぶりの水準に上昇した。イエレン氏の議会証言後は円高に振れ、終盤は0.8%高の99.96円で推移した。
〔クロスマーケットアイ〕イエレン氏原稿でムード好転、急な株高・円安進行には歪みも | 外国為替 | Reuters
イエレン次期米連邦準備理事会(FRB)議長の証言原稿が予想以上にハト派的な内容だったことで流動性相場色が強くなってきた。10月米雇用統計で強まったテーパリング(緩和縮小)観測が後退する一方、米景気は底堅いとの認識はそのまま残っているためだ。景気回復と金融緩和が併存するリスクオン環境となっている。ただ、急激な株高・円安進行には歪みも見え、警戒感を抱く市場関係者も少なくない。
解釈するならば、基本的にはイエレン氏の発言がアメリカ経済の底堅さを裏付け、かつ、今後の金融緩和も残るということだったことから、取引縮小に向かいかけていた雰囲気が逆転、ドルが買われましたという感じかなあ。麻生さんの発言は、ロイターでも書かれてるとおり別段特別なことは言ってないので、「財務相が何か言いました」というトリガー以上のものでは無さそう(今後なんかの局面で効果が出ることはあったとしても)。
〔クロスマーケットアイ〕イエレン氏原稿でムード好転、急な株高・円安進行には歪みも | 外国為替 | Reuters
昼休み時間中に株高・円安を加速させた材料とされたのは、麻生太郎財務相が、為替介入という政策手段を有しておくことは大事だと発言したこと。「一方的な円安、急激な円高といった動きにはきちんとしたシグナルを送り、一方的な動きを止める。短期的利益を目的とした投機筋に対抗できるものを持っていないと迷惑をこうむるのは国民だ」と内容はごく一般的で、日経平均とドル円を大台に迫らせるほどの材料とは言いにくい。
んで一夜明けた、というかニューヨーク的には同じ日だけど、のニュースだとこんな感じ。
〔外為マーケットアイ〕ドル100.13円付近、米金利低下で上値限定的との指摘も | 外国為替 | Reuters
ドル/円は100.13円付近。次期米連邦準備理事会(FRB)議長候補のイエレン氏が公聴会で、雇用促進が最重要課題との認識を示したことで、市場では金融緩和が当面維持されるとの思惑が広がっており、米10年債利回り は2.7%を割り込で取引されている。
ドル/円は、流動性相場継続期待を受けたリスクオンの円売りが下値をサポートする一方で、米金利低下が上値を重くする要因として意識されている。
参加者からは「株高もいつまでも続くわけではない。FRBは長期金利が3%を超えてくるような金利上昇は容認しないとみられ、そうであれば100円台の定着にはもう少し時間がかかるのではないか」(国内金融機関)との声が聞かれた。
まあ元が発言ベースですからねえ……統計が継続的に裏付けない限りなかなか相場が定着するのは難しいでしょうけど、市場としては1ドル100円台を許容する感じなんでしょうかね。もちろん、久々の100円台ってことでドルを処分する企業も出てくるでしょうから、しばらくは揉み合いでしょうけど。しばし注目ですね。
〔外為マーケットアイ〕ドル100.23円まで上昇、株高期待で円売り優勢 | 外国為替 | Reuters
きょうは五・十日に当たるため、仲値公示にかけては輸入企業の買いが入りやすいが、上値は限られるとの見方が多い。市場では「週末ということもあり、利食いや調整が入りやすいうえ、東京市場では久々の100円台なので、輸出企業のドル売りも見込まれる。きのうのような一方的なドル買い/円売りにはなりにくいだろう」(外為アナリスト)との声が出ていた。
ユーロ/英ポンド
ユーロが134円75銭、ポンドが160円88銭。
前回(10/8)がそれぞれ131円35銭、155円67銭だったので、見てない間にこちらは随分と円安が進んでます。EUも台所事情が苦しい中、必死に金融緩和してるはずなんですけどねえ……円安が止まらないのはなんでなんでしょう。特に英ポンド。ユーロの方は、それでも水準を維持していて2週間前に急激に円高になったあと、たまたまここ1週間で円安が進んだように見えますけど、ポンドの方は「着実に」円安が進んでいるようにしか。
EUの経済ニュースは……GDPの成長が鈍化、かな?
欧州市場サマリー(14日) | 外国為替 | Reuters
第3・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)が小幅な伸びにとどまった ことを受けてユーロが下落。為替介入という政策手段を有しておくことが大事との麻生太 郎財務相の発言が引き続き材料視され、ドル/円は2カ月ぶり高値となる100円台をつ けた。 欧州連合(EU)統計局が発表した第3・四半期のユーロ圏GDP速報値は前期比0 .1%増と、第2・四半期から伸びが鈍化するとともに、市場予想を下回った。第2・四 半期には長い景気後退をようやく脱却したが、フランスが再びマイナス成長に沈んだほか 、ドイツでも伸びが鈍るなど、域内の景気失速が鮮明となった。
フランス始め各国で景気失速。ドイツも。マジかー。それがここ最近の急激な値動きの材料なのね。
ドルが回復、イエレン氏のハト派的発言にサプライズなく | マネーニュース | 外国為替 | Reuters
スコシアバンクのチーフ通貨ストラテジスト、カミラ・サットン氏は「米国とユーロ圏の成長見通しは別の軌道に向かい始めた。第3・四半期のGDPの結果、米国にはほとんど楽観論が織り込まれず、逆にユーロ圏には過度な楽観論が織り込まれていることが示唆された。これは重大な局面の転換であり、今後のドルの下支え要因になるだろう」と指摘した
という意見もあって、ユーロ圏は今後も現在の基調は変わらなさそう。
「過度な達観論」ってすげー危険なニュアンスに聞こえるんだけどどうなるのかしら……