クラブの風営法問題を担当されている弁護士さんの名前で検索してみた

クラブの風営法関連の記事を読んで、NOONの担当弁護士である西川研一弁護士について調べていたらなんかとっても腑に落ちる結果にたどり着いたので一応メモ。「隠蔽された事実を暴いた!」とかそういうことではなくて、知ってる人なら自明だったことを整理したというだけです。

関連記事というのは産経新聞のこの記事。
「産経がなんでこの記事を???」なんだけどそれはまたあとで。

【関西の議論】クラブでダンスは「風営法違反」? 起訴された経営者が訴える「摘発は憲法違反だ」(1/4ページ) – MSN産経west

男性の主任弁護人を務める西川研一弁護士は「風営法でダンスが規制されているのは、戦後すぐのころ、ダンスホールで売春行為が行われた時代のなごり。現在のクラブの実情にそぐわない」と指摘する。「悪いイメージの多くは印象論にすぎない。ほとんどのクラブは地元とも良好な関係を築き、きちんと運営されている。逆に、必要のない法規制がクラブの健全な発展を妨げている側面もある」と訴える。





西川弁護士は名古屋の法律事務所の所属

弁護士には全然詳しくないけれど(関係があったのは曾祖父が生きてたときまでだ)、一口に弁護士と言ってもいろんな専門があり色んなバックグラウンドを持っているので、それを調べるべく西川弁護士の名前で検索してみます。

ヒットしたのはこちらページ。

豊橋・名古屋・浜松地域の債務整理・過払いならE&J:弁護士&スタッフ紹介

名古屋の法律事務所「名古屋E&J法律事務所」(代表:籠橋隆明弁護士)に、同名の弁護士が所属しているらしいです。幸い似顔絵イラストと写真も掲載されているので、産経新聞の記事に掲載されている顔写真と比較してみます。ああ、同一人物ですね。この方のようです。弁護士登録2007年って結構最近登録されたのね。まだ若い方なのかしら。

ちなみにヒットしたページ(http://www.nagoya-saimu.net)は債務整理や過払い金返還請求専門のページ。名古屋E&J法律事務所のサイトはこちらです。

http://www.green-justice.com/

つまり目的別にドメインを取得して運用してるんですね。やるなあ。



籠橋弁護士は弁護士団体「自由法曹団」に所属。中村和雄弁護士、西川研一弁護士も。

で、今度は同弁護士事務所の代表、籠橋弁護士の名前で検索してみます。するとブログが見つかったりFacebookが見つかったりとても旺盛に活動されていることが解ります。特に沖縄の基地問題については、ワシントンポストに全面広告を出すなど積極的に関わっているようです。

あの米ワシントン・ポスト紙に掲載された米軍普天間飛行場の沖縄県内移設中止を求める全面意見広告: 園田義明めも。
(好意的な記事とは言えないかも知れませんが他になかったので…貶める意図はありません)


活動が多岐にわたっておられページが多いので、もう少し絞って中村和雄弁護士と一緒に検索してみると次のページが見つかります。

自由法曹団通信:1338号

文中に「籠橋隆明団員」「中村和雄団員」「西川研一団員」という記述が見られ、この3名は「自由法曹団」という弁護士団体に所属する弁護士であると言うことが解ります。「自由法曹団」には全国で約2,000名の弁護士が所属されているそうなので、たまたまそうなったという可能性もありますが、まぁ普通に考えれば何らかの紹介があってのことということになるのではないでしょうかね。つまりこの案件は京都のクラブ関連を中村弁護士、NOONの関連を西川弁護士がそれぞれ担当していて、全体として「自由法曹団」的な精神が支えているという感じじゃないかと。



「自由法曹団」とは?

んで、この「自由法曹団」というのがどういう団体かというと、国や大企業との弁護活動を多く行い環境問題や社会問題、憲法などに積極的に関与している団体です。ホームページの「お知らせ」にもそんな感じがあります。

自由法曹団ホームページ

Wikipediaには「「革新的」色合いが強い」と書かれています。

自由法曹団 – Wikipedia

また、はてなキーワードには「共産党系の弁護士団体」とも。

自由法曹団とは – はてなキーワード

実際は「共産党員であることが義務づけられているわけではないが、共産党との関わりが強い団体」くらいのようです。

自由法曹団って共産党系なんですか?-みんなの法律相談【無料】 | 弁護士ドットコム

設立経緯や設立メンバーのプロフィールを見ても共産党との関わりは強いようですね。だから良くないと言うことではなくて、風営法のような法律改正を国家に問うという状況を得意にしているということと、憲法や人権を論拠として追い詰めていくというのが主戦法となっているということに関して、なるほどなっとく。

もちろん自由法曹団だけが国家権力と戦う弁護士団体というわけではないのですが、その辺は縁という奴でしょう。ぶっちゃけ弁護士さんを頼むと言ってもどうしたら良いかなんかわかんないですしね…僕だったら多分両親や親戚に相談して、知り合いの弁護士さんを紹介して貰うことになると思いますし。まぁそういうことでしょう。



何が知りたかったのか

いろんな媒体において関係者がやたらと「人権」と「憲法」に言及してるのがずっと気になっていて、恐らくまとめている弁護士さんなり弁護団なりの戦略なんだろうけどどうしてそうなるのかなあと不思議に思っていたのです。それがなぜかを知りたかったという。

んで調べた結果、指揮を執っておられるのであろう弁護士さんの共通項として「自由法曹団」という団体があることがわかったことで、もの凄く納得したというか腑に落ちたというか、現在クラブの風営法関連で取られているような「闘争戦略」が「自由法曹団」の基本的な戦略なのねという。それが良いとか悪いとかではなくまずそれありきで、そこから攻めるよということかなと。まず四間飛車、みたいな意味で。なるほどね。

とても解りやすい構図でした。



蛇足、産経新聞の話

まぁそういうわけで、冒頭の話ですが、ほとんどネトウヨレベルの産経新聞が共産党系の活動に興味をよせて記事にするというのが面白いなあと思った次第。人権とか憲法とかあんまり好きそうにないけど頑張って言及してるのは、取材してみたらそういうことだったみたいなことなんでしょうかね。

そう考えるとこの事件を「憲法論争」にまとめているのは、産経新聞なりの皮肉なのかなと思ったりもします。この話の論点、そこーー?って言う気がしますけど、わざと偏らせて書いてんじゃないかなー。多分関係者はそこまで憲法に重心置いて喋ったわけじゃないと思うんだよなー