pixivの話雑感 – Webサービス対応のあり方とか

pixivの揉め事。まぁ詳しくはまとめエントリでも読んでください。

2011-07-19 – Fenestrate Halfpace
2011-07-23 – Fenestrate Halfpace
【pixiv終了】pixiv、運営との内紛で遂に絵師ら激怒しPiXAやTINAMIに移住開始 ROMだけ残りオワコン化 – hogehoge速報


好きか嫌いかという心情的な話は置いておいて、何が問題なのかを一言で書くとこんな感じ。

著作権・肖像権侵害に対するスタンスが一定ではなかった

これに尽きますな。

だからどうしたらこの問題が片付くかもシンプルで、

著作権・肖像権侵害に対するスタンスを明確にする

これに尽きます。



自称現代アート集団「カオスラウンジ」が著作権を侵害した作品を作成、販売していることは大きな問題だけれども、
基本的にはpixivとは別に関係がありません。
著作権侵害というのは親告罪なので、著作権(人格権、原盤権など)を侵害された人が訴えることで成立します。
pixivのスタンスは、違法行為が成立したら削除、違法行為を繰り返したらBANだと思うんですね。表向き。
それは別にユーザーが誰であろうと動かないはず。

だからカオスラウンジの中の人の作品に関してだって、
著作権者からの申し立てがない限り削除する必要なんか無いしBANする必要もないし、
同様に見た目で著作権や肖像権の侵害が予想できたとしても
削除する必要はないしBANする必要もなかったんだよね。
逆に申し立てがあれば有名人だろうが友達だろうが削除なBANなりすればいい。
YouTubeのレディー・ガガアカウント停止の件とか全く同じ話だよね。
Webの空気的には「有名人だと即BANじゃなくてアカウント停止」くらいは許されるんで、
一旦停止して対応を検討すれば良かった。

そもそもそういう、
申し立てがあったものを削除しておけば、著作権侵害を助長する違法サイトとされることはない
というのが、YouTubeから連なるWebにおける著作権侵害→削除の一般的な考え方。
pixivもそれを踏襲してるし、ネットやってる人はみんな知ってる。

別に過大なことを望んでいるわけではなくて、ルールを明確にすることが求められてるだけなんだよね。



だから今後どうすべきかってのも結構シンプル。
要するに、
  • 著作権侵害、肖像権侵害に対するスタンスを統一する(申し立てで削除するのか、申し立てなくても視認できれば削除するのか)
  • 誤って削除した作品、BANしたユーザーを復旧させる
  • 謝罪する
それだけで問題のほとんどは片付く。



というようなことは、Webサービス触ってる人なら誰でも思いつくんだけど、
そういうの踏み越えて説明無しにルールの運用を始めちゃったpixivはちょっとアレだよねと言う。
責任者が感情的になった場合にそれを止める手段がないとか、あんまりルールを遵守するつもりが無いとか。
問題が残るとすればそう言うことっすかねぇ。



オマケ:コラ職人問題

ふたば出身のコラ職人大量入植も問題にはなりうるけれども、
普通に考えたらこんなの、規約変更で十分対処できたはず。想定外だったんだから。
例えば、
写真またはそのトレス画像を利用したコラージュ作品の投稿を禁止します
とか何とか規約に付け足した上で、期限切って作品の削除を促せば良かったんじゃね。
それでpixivが「約束の地」ではなかったと解れば、流浪の民はまたどこか他の場所に行くでしょう。

もし彼らを排除しなくていい、でも面倒は掛けられたくないという判断なら、
「現代アートって一般的な用語過ぎるから、こういうタグでやってくれ」とか作って、
ランキングや新着から外して「運営としてはスルー」でOKだったはず。



オマケ:pixivは衰退しました?

ごたごたに嫌気がさして人が移動しているんだけども、それはあくまで心情的なもんなので。
友人が被害にあったとか、自分がBANされたとかでない限り、
問題が片付いて落ち着けば、戻ってくるんじゃないかって気がしてる。

がっつり繋がりごと移動してしまったら別の話だけど、
一般的にはSNSを移動するのって結構エネルギーがいるので。
mixiだってなんだかんだ言ってみんな退会まではしてないしね。

そんなことより、TINAMIが7月で15周年を迎えましたって方がビックリしたよ。
全然知らなかったなぁ。

TINAMI – Navigator of Manga Artists –