おもてなしの経営学 アップルがソニーを超えた理由 (アスキー新書 55) 中島 聡 アスキー 2008-03-10 by G-Tools |
ユーザー・エクスペリエンス=「おもてなし」に焦点を当てた、ビジネス本…なのだけど、
中島さんの語り口、それから3本の対談がべらぼうに面白い。
特に、古川さん、ひろゆきとの対談は凄い。
アメリカの技術者の優秀性(ひいては日本の我々IT土方に足りないモノは何か)や、
彼我の違い(not 彼我の差)や、今後日本がどうしていったら面白いか、など、
バックグラウンドにある知識や、視点が独特でそうだよね、
と思いつつ違う何かが見えるって言うか。
勧められて読んだ本だけど、コレは正解。
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で、本書はサービスを設計、運営するに当たって、単純なUIとかじゃなくて、
おもてなし、つまりはサービス全体でユーザにどんな満足感を与えるか…みたいなところを、
考えてやっていこうよ、というような感じの話が根幹にあって、
それについては僕個人も深く同意するのだけど、
それ以外にちょっと印象に残ったフレーズとしては、
『代案を持たない不平や愚痴』って言う言い回し。
僕自身、特に仕事においては、文句を言う以上、
『なぜそう思うか』と、『どうしていけば良いと思うか』、その2点もあげるようにしているけど、
世の中全部がそんなやつばっかりではなくて、中にはただ不満を言いたい奴や、
自分に何の提案もないのに聞いた提案へのダメ出しには熱心な奴、
自分の説明が相手に通っているかの確認を省略する奴などなど、まーいろんな人がいる。
僕個人は、そういう奴はものを言うだけの能力がないから、
端から無視してOKだと思ってるけど、まぁそういうわけにはいかないことが多いので、
結局もの凄く遠回りでもの凄く面倒な折衝が発生することになって、
率直な意見交換とは、もう似ても似つかない状況になったりする。
他人を変えよう、なんていうのは多分思い上がりなので止めるとしても、
少なくとも自分自身については、きちんと誠実に対応したいと改めて思った。
口火を切る方はきちんとした案を示すべきだし(率直ってのはそこまでして初めて価値がある)、
反論する方はきちんと代案…せめて問題点の指摘くらいはすべきっていうね。
なかなか難しいけどね。