ウェブ国産力―日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 047) 佐々木 俊尚 アスキー 2008-01-10 by G-Tools |
面白かったんだけど読んだ後に、なんとなく『???』となって、
その後同僚と話をしていて気付いたんだけど、
この本は基本的に、『未来検索ブラジル』と『情報大航海プロジェクト』に関する本です。
僕が(前述の同僚も)題名から想像していた、ウェブの世界で国産力をどう高めていくか、
今どんな会社/サービスがその候補にあるか…というような紹介ではなくて、
『検索エンジンサービス』という分野が、ウェブ上のテキストを拾うだけのものから、
もっと幅広く裾野を広げつつあるよ、という前提に基づいて、
上記2サービス(プロジェクト)を詳しく紹介するっていう体裁。
未来検索ブラジルに関しては、Sennaという名前からして興味津々だったのだけど、
そのモチベーションとか、考え方が凄く面白くて、おおーと思ったんだけど、
佐々木さんも他の部分でちらり書いてるけど、んー…あくまで裏方だよなーとか思った。
『未来検索ブラジル』は検索サービスとしてよりもむしろ、
各サイトの検索システムの設計とか、
Senna(組み込み型全文検索エンジン)として評価されてる気がするし。
情報大航海プロジェクトについては、確かに担当者が学者や官僚ではなく外部からの登用で、
政府としては恐ろしくマジメに取り組んでるんだなということがよく分かったけど、
それが今後どんな形で現状と結びついていくか…という部分については、よく分からなかったなぁ。
佐々木さんの言われる今後の情報世界の中では生きているのだけど、
今それは生きる場所があるのかと言われると。
まだ形にはなっていないと。
佐々木さんの新書は基本的に自らの取材のまとめ、
ないしは連載ものみたいな感じがあるから、
僕が読書前に感じていた『国産力の現状と未来』に関するまとめは、
またどこかで書かれることもあるのかな、と思う。
それはきっと、本書で佐々木さんが書かれているような、
検索エンジンの裾野でのサービスになるのだろうけど、
そこに“目に見える形で”国産力が活かされているだろうか…
Webに関わる人間の端くれとして、このセリフ書いたら負けだなと思ってはいるけど、
でもやっぱり書いちゃうけど、
頑張って欲しいなと。期待してる。
…何か、自分に出来ること、ないかなぁ。