さまざまなかたち。
ふと訪れたバーのふと座ったカウンターで隣にいた女性、
お腹を空かせて通りを渡るときにすれ違った女性、
ふとした成り行きで知人に紹介された女性、
僕の次にお酒をオーダーした女性、
クラブの照明の下で照らし出される綺麗な形をした胸を持つ女性、
街角でタバコを吸う僕の吐き出す煙に顔を背ける女性
いつの間にか連絡を取り合うようになった女性、
僕の買ったセブンスター・メンソール・ライトをレジに通す女性、
月に何度かイベントで会い、たまに飲みに行く女性。
出会いの形には、さまざまなかたちがある。
何も知らなければ、
何も危惧したりしないし、
そのとき、軽い挨拶と、会話を交わして、
あとは振り返りもしない。
連絡が取れなくなっても、
いつかまた会うと思いながら二度と会わなくても
出会いは、
出会ったときに既にそのとき、完結していて、
それ以上でも、それ以下でもない。
そこには、そのとき以外に
何もないし、
いずれまた、他の、そのときがやってくる。
そのうちの誰かとは、
笑いあうかもしれないし、
罵りあうかもしれないし、
涙を誘うかもしれない、
音楽に満たされた空間に幸せを感じるかもしれない、
同じベッドで、
滑らかな肌を、細い指で撫でているかもしれない、
ふと目覚めて、隣に感じる自分のモノでない重みに、
そっと微笑んでいるかもしれない。
ものごとには、さまざまなかたちがある、
ひとつではないし、
ずっと変わらないものでもない、
僕らはそれに触れ、
それから離れ、
そして、また触れる。
あなたの柔らかな目の輝きが
明日もそこにあるように、
祈りながら。