レイハラカミ in ボロフェスタ2005

不思議な感覚だと思う。

普段過ごしていて、特別な感情を持つことはない。
別に、レイハラカミが好きなわけではないし、
そういえばメトロに来るよ、と言われても、喜んで出掛ける、ということもない。
音楽に愛着があるわけでもない。
でも、あるタイミングで、僕に確実な何かをもたらしてくれる存在でもある。

この日、西部講堂で聴いた一曲に、
何とも言いようのないイメージを抱いて、少し、愕然となった。


最後か、最後から2番目の曲、
ゆったりしたメロディと、ビートが交互に現れてくるような、
かと思うと、ゆったりした時間がしばらく続くような、
そんな起伏ある、感情豊かな曲だったのだけど、

僕はその中に、自分の日常の姿を見て、
恐らく、自分の日常を早回しで、
一日が30秒くらいにまとめて(3000倍速くらいだ)、
BGM付きで見てみたら、きっとこんな感じになるんだろう、

そう思って、
繰り返される僕の日常の中で起こる、
さまざまなことに想いが飛んで、
一つのブロックの中で完結することや、複数のブロックをまたいで続くこと、
自分の日常が早回しで映し出される様をイメージして、

── あたかも、走馬燈のように ──

僕は、客で一杯の西部講堂の中で、一人、立ちつくしていた。


僕は、今、彼のアルバムを聴いている。