またもや筆者の意見を勝手に叩き台にさせてもらいつつ
どの程度視野を広く保てるかを試してみましょう。
今回のシチュエーションは、デートの約束を急用で反故にされた女性と、その彼氏の会話。
そのときの女性の『嘘つき!』という言葉は正しい選択か?
またその選択は女性特有のものなのか?
お題の論点としてはそんなところ。
前々回も書いたとおり、僕は惚気的な場面を除き、
『直情→何を言っても無駄』型女性に対して、自分が悪くなくても謝り倒す…
という人間には出来ていないので、
どうしようもない場面で『嘘つき!』と言われても、10中8,9放っておくということになるのだが
それでは話は進まないので、筆者の述べる『気になる点』について論じることにする。
気になるポイント
◆女は「出来もしない約束」をされるのが嫌い?
◆女の優先順位は「早いもの順」?
◆男の立場だと、彼女にどういう態度を取ってもらうと楽か?
何度も言うようだが、『女(男)は…』という言い回しが適切じゃないんじゃないか、
と思う物もあるがとりあえずは気にしないことにして(後述する)、まず、
◆女は「出来もしない約束」をされるのが嫌い?
コレが好きな人がいたら、紹介していただきたい。
もちろん『好きな人なんていないけど、でも特に女の方が…』という文意だと思うけど、
その理由について考えると、解釈によって大きく違ってくる。
つまり、『誠実さに重きを置く』とも言えるし、『自分中心でわがまま』ともとれる。
現実に置き換えて考えてみると、人によっては
出てくる言動は同じでも、そこに至るプロセスが全く違うことがあると思う。
本文中のシチュエーション(多少脚色されているけど)だけを読んで考えるに、
この場合の女は、多少わがままだ、ととられても仕方がないんでは無かろうか。
もちろん、『今回が初めてではない』『イライラしていた』『男の任せとけ的発言』『記念日』など、
外部要素はさまざまあるかもしれないが、本文だけではわからない。
日常的にある状況でのこのセリフの言い回しは、いかにも、
『何を言っても無駄!姫は虫の居所が悪いの!』、である。
◆女の優先順位は「早いもの順」?
これも常識と照らし合わせると、女でなくてもごく自然なことでは、と思う。
デートの約束はある程度店の予約と似ている、
予約していた店から連絡が入り、
『VIPの予約が入ったからキャンセルさせてください』
といわれたら腹が立つだろう。
女性の方が我慢できない…果たしてそうか?
ファミレスで自分の家族の料理が隣より遅くてムッとするお父さん、
というのも別に珍しい光景でもない。
順番というのは、ある程度早い物順で仕方がないことだし、
このシチュエーションでは、『順番が早い』というポイントを加味しても、
『重要な仕事』の方にプライオリティを認めざるを得なかったということだし、
男の選択と、女の主張とは矛盾しない。
◆男の立場だと、彼女にどういう態度を取ってもらうと楽か?
状況に合わせて怒ってもらいたい。
『明日お茶しよう』を延期して怒鳴られたら嫌気がさしてしまうし、
『結婚記念日のお食事』を延期して『わかったー』だけだったら微妙に寂しい。
なんにしてもそうだが、一概には言えない。
マニュアル化できれば楽だが、残念ながらコミュニケーションは毎回違うし
マニュアル化されてもちっとも面白くない。
でも、僕がこれまで付き合ってきた女の子は、許してくれたような。
逆に、素直に引き下がられた方が気になるし、申し訳なく思う。
人の心情なんてそんなものである。
さて、ポイントそれぞれに対してコメントを付けてみた。
しかし僕自身はこれらは特に重要ではないと考えている、
理由は前述の通り、これらの『ポイント』に性差を感じないからだ。
というのも、これらのポイントはそれぞれ、
女を男に、男を女に読み替えても、さほど違和感を感じない気がする。
『男の約束と女の約束は微妙にずれがあるような気がする』感覚への仮定の理由として、
これらのポイントが上げられているが、それほど明確に性差を示せていないのではないだろうか。
先程述べたとおり、このシチュエーションは普遍的すぎて、
感情の裏が幾通りも考えられるので、安易に断定できない状況だが、
僕がこの問題について考えたとき、2人の認識の差を感じる部分は、むしろ、逆の意識である。
少し回りくどくなるが、
このシチュエーション、男は約束を破った、と思っている。
細かく言うと微妙だが『嘘を付いた』と言われても仕方がないと思っている。
逆に女の方は、『男は約束を破ったとは考えていない、仕方ないと開き直っている』と思っているだろう。
男の誠意は伝わっていないし、女も理解してあげられていない。
あえて性差を挙げるのであれば、約束した時点で、
女の方は既にやることが決まっている、男の方はその予定である、ということか。
未来の出来事について『既にしている』ことであるわけで、
事実も同然なのだろう、それを裏切られたわけだから、
事実を否定されたという意味で、嘘つき、と言う選択もわからなくはない。
しかし、男の方から見ればあくまで予定だったわけで、
事実と言うには少し遠い。
だから、嘘つきと言われたときの嘘の対象は、
約束を破らない、ということに対して嘘を付いた、ということになる。
『嘘』の対象が、2人の間で違うのだろう。違和感があっても仕方ないことだ。
しかしまぁ…結局僕の結論はこうなってしまうのだけど。
この手のコミュニケーションの行き違いは、『性差』で安易に吸収出来るものではないと思う。
もしそういう視点で見ると、世の中には男っぽい女や、女っぽい男が山ほどいることになる。
男女で性格を明確化したつもりでも、
いや、あの人は少し男っぽいから…などと適用基準を変えていたら、
結局のところ、意味がないことになる。
男女の性差で物事を斬るのは、血液型占い並に盛り上がって楽しいが、
正確さを求めようと思ったら、
やはりある程度不向きなわけで…