雨の降る季節になると 古傷が疼き出す
街を夕立の黒い雲がおおい始め しくしくと 時折、ずきり。
歩けなくなるほどの痛みが左膝を襲い
僕は そこにうずくまった
仕事が終わりに近付き
街に 雨粒が落ち始めたころ
僕の彼は 何を言おうとしているのだろう、何かを伝えたいに違いない きっと
それは 追憶の影か 陽が照りつける 砂の匂いか
でも そんなこと、聞いちゃいない
神経に触れるたびに ズキリ ずきり響く
必死で脚を伸ばしてみたり 縮めてみたり
通り雨
通り過ぎる なにか
つかめずに すっと ぼんやり 消えていく
また 次の夕立に