d x b

書けた。構想から書き出すまでに2週間も掛かったけど。
メインテーマを『恋愛』ととられたくないので、補足。または蛇足。

『darkness』 『brightness』
この2つの文章で僕が書いておきたかったことは、
陰…驚くほど細かなことまで覚えている、
陽…驚くほど綺麗に忘れてしまっている、
その2つの感覚の対比。
決して無作為に刻まれたり忘れたりしてるのではなくて…
よく覚えているのは、本当のこと、
忘れてしまったのは懸命に本当にしようとしてたこと
そういうことだったんじゃないか?

別れた恋人や好きだった人のことを『忘れている』と言っても
顔や、人柄や、好きだったことまで忘れたわけじゃない。
でも、つい最近まで僕の中でひとつの像として明確だった姿が
どうしてもぴんと来ない。
『確定要素』たらしめていた事柄の基礎が崩れて流れ去ったあと
そこには僕の見ていなかった姿しか残っていないのだけど
これが果たして正しいのかどうなのか、よくわからない。
僕はこの感覚に対して、『まだ出会っていない』と名付けることにした。
さんざん一緒に時間を過ごし、別れたり、振られたりした上で
『まだ出会っていない』という定義もおかしな言葉だけど
きっと、自分の感覚(と思っていたこと)にとらわれて
見えていなかったことが多かったんじゃないかと思う。

決して、単純な反省のつもりではない。
それどころか別に過去の自分を否定するつもりもない。
ただ、矛盾する、2つの感覚が今の僕の中にあり、
望むと望まざるとに関わらず、
周囲との接点として、僕の中にあり続ける、ということなのだ。

もしかしたら、ごくごく単純に、
『暫く会っていないから、会ってみたい』
なんていう思いでしかないのかもしれない。
でもまぁ、それならそれはそれでいい。間違っちゃいない。
今の僕が見たら、昔の彼女はどう見えるんだろう?
ただそれだけのことだ。
実際には相手も変わっているのだから…
二度と実現させることは出来ないのだけれど。

この感覚は、いずれ、大きな意味を持ってくると思う。
確信というより、まだ予感でしかないが、
現在、そう思っているのだ、と言うことを、未来の自分に残しておく。