ふ わ

今日の雲は千切れた綿菓子のようだった。
強い上空の風にあおられて、くるくると回って、
糸を引き、形を変え、次から次へと。
そんな様子がおかしくて、ぼーっと見てた。

西の空から角を丸く固めた雲がやってきた。
見上げた視界の中では、真下から沸き上がるようだ
夏の陽射しに満ちる世界に少し、灰色を持ってくる。
ふっと、止まる、風。

ぴんぴんと雲が跳ねては消えていく
綿菓子は東の空へと流れていった
やってきた、暗い雲も、どんどん流れていく。
流れていく。