タトエバナシ。

何かに喩えて説明するのが好きだ。
そのせいで教えるのが上手い、
と言われるけど、
タトエバナシってのは、案外、
上手く行かないもんだ。
喩えと、それで起きる感情との距離。
ベクトルも含め、
それが似たようなことを選ぶ。
でも、理屈じゃないから、
俺だけが解るというのもしょっちゅう。

数学や算数の問題を解く時、
平行線とか補助線とか、
引きませんでした?
こことここの角度が等しいから、
とか、
比が同じだから、とか。
タトエバナシってのはそういうこと。

『数学なんか何の役に立つんだよ』
生意気な受験生がみんな言う。
それそのものを評価してるうちは青いぜ。
人生は因数分解より複雑だが
実は因数分解の繰り返し、応用。
応用の引き出しが言葉を作る。
生きるために無駄なことなんて無いのさ。

タトエバナシを今日もする。
わかった気になる、
という弊害もあるけど
ただ自分の言葉を繰り返すだけじゃ
人はわかってくれない。
相手のために、
補助線を引けよ。