SELECTED

すくい上げた砂は
一瞬の笑顔だけを残して
指の間から滑り落ちていった
強く握りしめようとした瞬間
すり抜けていった
あの夜の僕の選択は
否定しないことは肯定にならない
と、僕に学ばせただけだった
砂はそのまま
静かに海辺に落ちて
もう、見わけもつかない。