突き抜けるように青い空。
刺すような日差し。
奇妙に揃った白い雲と、
くっきりとする色、景色。
走りはじめる。
一昨日11km走った疲労がまだ抜けていない。
しんどい。
『あっついなぁ…』
ふと、きづくと、蝉が鳴いていた。
昨日も鳴いていたのだろうか?一昨日は?
記憶を探っても蝉の鳴き声は思い出せない。
ただ、ずっと、そこにあったような気がした。
うるさくなるな…と苦笑いしながら、
その木の傍を走り抜ける。
まだ、蝉の声のない、川岸へと足を向ける。
川を渡る涼しい風が、ほんの一瞬、
流れる汗を冷やして、過ぎる。
夏が、来ている。