ある日

『きっと、そういうと思ったわ。』


 そういって彼女は、少し笑った


 気だるい夏の午後


 彼女は僕を見ていたのに

 僕は彼女を見つめられなかった


 僕はなにを見ていたんだろう

 僕は誰かを求めていた


 僕に掛かった魔法
 2ヶ月の夏の間
 それを黙ってみていた


 笑顔は涙に


 魔法は、あのとき、とけた

 照りつける太陽の真下、
 ぼくがぬぐった汗と、

 いっしょに。