【レビュー】こんな夏だからこそ、野茂英雄を語りたい。(Sports Graphic Number 1009「メジャー挑戦25周年 完全保存版 こんな夜に野茂英雄が読みたい。」)

Sports Graphic Number 1009「メジャー挑戦25周年 完全保存版 こんな夜に野茂英雄が読みたい。」は、メディアにあまり出てこない野茂英雄さんの特集ということで大変興味深い一冊でした。本人へのインタビューはもちろん、当時の状況や印象を周囲の多くの人に丹念にインタビューすることで描き出していて、まさに1995年当時の野茂さんを取り巻く状況が見える気がしました。とても良い一冊だったと思います。

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【レビュー】 岡本隆司 / 世界史とつなげて学ぶ 中国全史

世界史とつなげて学ぶ 中国全史

本書はタイトルの通り、黄河文明から春秋戦国、漢や唐、明などを経て中華自民共和国へと至る「中国」の歴史を、周辺国や遠くヨーロッパなどとの関係性から描いています。あとがきなどで著者が書かれているとおり、必ずしも最新の学説をフォローしているとは言えないのかも知れませんが、中国人が古代から現代に至るまで何を考えて国をつくり統治してきたのか、変わってきたこと・変わらないことが上手に整理されわかりやすく書かれています。

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【読書感想文】 グローバル資本主義VSアメリカ人(篠原 匡) 【最近買って良かったもの】

アメリカって言うと世界最大の経済大国であり軍事大国、そして今や世界最大の産油国でもあるわけで、世界一の富裕国出あるような印象があります。実際、国民1人あたりGDPで見ると世界9位、上位は小国ばかりなので人口が1億人以上の大国で見ると圧倒的です(ちなみに人口1億人以上でアメリカの次は日本(26位))。

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【読書感想文】森井博子 / 労基署がやってきた!

働き方改革関連法の成立で今後もお世話になる機会が増えそうな労働基準監督署。なんですが、その実体ってなんなのか良く知らなくないですか。殆どの人にとっては組織がどういう構造になっているかもわからないし、労働基準監督署の上位組織にあたる労働局がどこにあるかも知らないし(京都労働局は烏丸御池にあります)、そこで実際にどんな人が働いているかも知らないと思います。僕もこの本を読むまでは労働基準監督官(職場に立ち入ったりして労働基準法が守られているかを確認、指導を行うほか、業務一般をこなす人をそう呼びます)がどんな仕事をしているか知らなかったし、ぼんやり「区役所の職員の人みたいな感じかな」「それともマルサみたいなもんかな」と思ってたんですけど、なんか全然違った。

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【読書感想文】少女終末旅行 6

本当は読んだ直後に感想を書こうと思ったのですけど、予想以上に感情的になってしまったので(疲れてたからかな)少し時間を置いて翌日書いてます。 読了後の率直な感想は、たぶんみんな同じだと思うけれど、 なんとなくそうなるだろうと思ってた。 そうなるだろうな、とは思っていたし、希望に満ちあふれた未来を期待していただろうかというと決してそうではなかったけれど、実際に「終わり」を目にすると、わかっていたはずなのに、なんとも言えない喪失感と寂寥感を感じました。特にテッケンクラートとの別れとなる「喪失」と、そこから最上層目指して暗闇を歩く2人の心象描写、それを経てからの最上層の描写が素晴らしく、単純な「終わり」というよりは「解放」に近い。 物語が始まって初めて見る「チトとユーリのいない世界」は、悲しい世界というよりは「本来あるべきだった世界」に近く、彼女らは消えていく泡の最後の1つで、でもその最後の最後まで一生懸命に生き、おじいさんとの別れから長く続いた先も相手も見えない「戦い」からやっと解放されたのだと。 そう感じたとき、失った寂しさと同時に、2人がそこに落ち着くことが出来た安心感に似た何かを感じて、心に何かが落ち、次第に波紋が収まってくような、静かなショックを感じました。決して「ハッピー」ではないかも知れないけれど、きっとこれで良かったんだろう。これで良かったんだと、思ってあげたい。 2人が、幸せな世界で暮らせていますように。。

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【読書感想文】小出義雄 / 30キロ過ぎで一番速く走るマラソン サブ4・サブ3を達成する練習法

先日の京都マラソン2018の結果を受けていくつか記事を読む内に、気になるタイトルの本を見つけたので早速購入。マラソンの監督として有名な小出義雄さんの本です。タイトルからしてまさしく僕の「課題」をそのまま表しているのですが、読んだ瞬間に一言。 あと1ヶ月早くこの本を知りたかった!

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