目線の高さとは。仕事に注ぐエネルギーとは。

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(© ここで見たもの、笑ったこと。さん)


居酒屋の店長が6/1付けで辞めました。


以前下書きをしただけで公開することは出来なかった文章があるんですが、そこから抜粋・編集・加筆して公開してみようと思います。ここで書きたかったことは、飲食店のような業態の会社ではベテラン社員の中で技術、知識がある社員は早く会社を辞めて自分の進むべき道を作るべきではないかということです。
(IT系の会社でも似たような構造があります)


いくつか理由があるんですが、そのうちの1つが、


自分のためにやるとき目線の高さが変わる。
目線の高さが変わると、やることが変わる。



ということです。




王貞治ソフトバンクホークス会長とイチロー選手のポリシー

チームのために、なんて言うヤツは言…… – 王貞治の名言 – Number Web – ナンバー

自分のためにやるからこそ、それがチームのためになるんであって、 チームのために、なんて言うヤツは言い訳するからね。



自分のためになることだから必死になれるんだと思うんですよね。心の底から「チームのために」といってしまうのは無理がある。スポーツ選手とサラリーマンは同じではないけれど、仕事のクオリティの差ってそういうところだと思うんですよ。現実の世界では「捨身」がベストとは限らない。自分のためにすることが結果的にチームの利益になっていくんじゃないですか。ましてや居酒屋の社員は立場はサラリーマンではあるけれど仕事の属人性が高く、スポーツ選手に近い。

だから別に今日明日じゃなくていい、でも「目途が付いたら店を辞めて次の店に行く」「独立して自分の店を持つ」と公言して目線をその高さに置くことはとても大事だと思うんです。それで見えてくるものが絶対あるはず。僕は知識も技量も不十分ですがそういう意識だけは負けていないと思うし、新店舗立ち上げのために帰ってきた元・現社員もそうでした。エネルギーとは生むものではなく生まれるもの、捕らえるもの。



端から見ていた店長は、自身の情熱と現実の間でもがいてる時間があるように見えました。「やりたいこと」と「やらなければならないこと」の間にギャップがあり、それがモチベーションのブレやよどみ、時には苛つきとして表出しているような。まあ僕には店長の心の中までは見えないので、そんなことはないよといわれたらそれまでのことですけど。

5年前、面接で初めて会ったときに僕がした質問「店長は独立する気はないんですか?」に対して「自分はそうするつもりはない」と断言していた店長が、5年経った今こういう決断に至ったことに対し、個人的にはとても嬉しく思います。彼を生かすには今の環境はちょっともう窮屈になりすぎたんじゃないだろうか、彼がその能力を発揮することが出来る環境はきっと他にあるとずっと思っていたし、将来どうなりたいと思っていたのかわからないけれど「少し長くいすぎじゃない?」とも感じていたので、ようやくその時が来たんですね、と。それが今の偽らざる気持ちです。


他の店に行くにしろ、自分の店を持つにしろ、彼が自分の能力を発揮出来る場所を見つけられるよう祈っています。そういう場所で、自分の興味ややりたいことを存分に形にしている姿をまた見たい。

頑張ってください。



俺も頑張らないとなー