【今日のニュースから】沖縄宮古島市の地方紙「宮古新報」が廃刊・会社清算

社長が清算意向、パワハラ・セクハラ訴えも 宮古新報、全社員に解雇通告 労組は退陣要求 – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

沖縄県の宮古島市内で日刊紙を発行する宮古新報社の座喜味弘二社長(87)が10日、全社員に解雇通告し、宮古新報を廃刊し会社を清算する意向を示した。座喜味社長によるパワハラ・セクハラ行為があったとして、宮古新報労働組合は昨年11月、退陣を要求していた。組合は今後、社に団体交渉を申し入れるなどして事業継続を模索し、新聞発行も続けていく方針を示している。 

 宮古新報労によると9日、会社側代理人から「解雇通知を10日付で出す」との通告が口頭であり、10日に全社員に対し文書で解雇通知が出された。

 業績不振による赤字経営が続いており、事業存続が困難と記載されていたという。



パワハラ・セクハラについてはどうやらあったっぽい(関連:宮古新報でセクハラ行為 社長、会社清算通告も – 産経ニュース)ので擁護は全く出来ないけれど、赤字経営にもかかわらずここまで経営を続けてきた87歳の座喜味社長の情熱については、すごいと思うんですよね。同社の 会社概要 によると、宮古新報は今から51年前の1968年に座喜味社長(当時36歳)が創業した会社で、それから51年間宮古島市で地方紙を発行してきたわけです。どれだけ儲かってきたのかはわからないけれど、近年は事業譲渡もしていたようだし(設備の評価額を巡って決裂)、創業者として87歳になる現在まで50年以上会社を引っ張ってきたらもう十分だと思うんですよね。


でもそれがこういう話の流れだと、社員に、

社長が清算意向、パワハラ・セクハラ訴えも 宮古新報、全社員に解雇通告 労組は退陣要求 – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

労組幹部の伊佐次郎さんは「地域で果たす役割の大きい新聞を、個人の判断で一方的に清算するのはあってはならない」と述べた。


って言われちゃうわけです。


パワハラ・セクハラは許されることではないし退陣請求は正当だけれど、その一方で事業譲渡が進まない実質個人会社である会社を畳もうとしたら「個人の判断で精算するな」ってお前らどんだけ当事者意識ないんだよとも思うのですよね。87歳の社長が経営不振の会社を畳むのがそんなにダメなことかな。公共性を訴えたいなら、残された社員で金出しあって社長の株を買い取ったら良いじゃん、地域に果たす役割のために(いわゆるEBO)。例え晩節を汚すことになったとしても、創業以来51年間会社を引っ張ってきてくれた社長に対して、それぐらいのリスペクトはあっても良いんじゃないか。その上で縁を切るなり、名誉職に残すなり好きにしたら良いと思う。結局会社なんて資本を用意してるやつが一番偉いんだから。

それが出来ないのなら、結局やっぱり創業社長に甘え続けた50年間だったというだけですよね。副社長(座喜味正/宮古エアー社長、息子さんかな?)は事業継承しないのかな?赤字のめんどくさい会社なんか引き継がないか。社長は高齢、事業は赤字、継承も譲渡も出来ないっていう、いま日本全国で社会問題化してる「事業継承」の典型的なパターンであると思うので、宮古新報さんにおいてはそこに焦点を当てて特集でも組んでみると良いんじゃないかなーと思ったりします。その中で解決方法は見つかるんじゃないかな。大株主で創業者の社長が退陣したところで、会社の経営が上手く行くってわけでもないしさ。