視野を広げるために(首振りと周辺視)

サッカー・競り合い

仕事を効率的にしていくには、連携が必要です。そういう点で仕事はスポーツに似ています。

基本は細かい声掛けですが、それを踏まえた応用としてお互いがお互いを見て必要なことを埋めていくというのも必要ですし、声を掛けるにしても相手や周りの状況を把握しておくことは必要です。自分の作業が終わったので、これお願いねとただ投げるだけの人とは、連携するのは難しいです。適切なタイミングで投げられれば、自分にも相手にも余裕が生まれます。

でもねー。そういうの、出来ない人もいるんですよね。余裕がないとも言えるけど、恐らく、そもそもの視野が狭いんだと思うんです。誰にでもスグ出来ることではないし、でも心がけてれば出来るようになることだと思うんですけど、「自分の視野が狭いから広げていきたい」という志向がないと、やっぱり出来るようにはならないというね。


で、最初の一文に戻ります。仕事をスポーツと同じと考え、視野を広げるという視点で考えると、大事になってくるのは「首振り」と「周辺視」です。




首振りは、周囲の状況を確認すると言うこと。人ってのは自分で思ってるよりも周囲の状況が見えていないので、目で追うだけでなくてきちんと首を振って見えていない部分(ブラインドサイド)まで確認するようにするのが重要です。首を振って見えていない部分の状況もすべて確認し、情報として頭に入れておくことで、さまざまな状況に適切に対応出来るようになります。自分の行動の前と後に必ず首を振って確認する。それだけで変わります。サッカーでは多分、基本的なことです。

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周辺視は、状況の見方のこと。人間というのは一点を集中して見つめると、周りが見えなくなるという特性があります。ピントが合ってないというわけではないと思うのですが、処理すべき情報として脳に入ってこない。もちろん集中して作業を行う場合には、それは必要な特性なのですが、視野を広げることについて言うとマイナスです。で、周辺視とは、「何を見るでもなくそのあたりを漠然と見る」見方のことです。科学的には、「網膜の中心以外の部分の認識能力を上げる」ということらしく、トレーニングが必要な能力みたいですが、逆に言えば努力すれば身につくことです。この能力があると、自分が作業を行っているとき、視界の端に映る他の人間の作業状況を把握出来るようになります。僕は人よりもこの能力が高いようで、視界端からのアプローチに対応して驚かれることがよくあります。

周辺視(しゅうへんし)とは – コトバンク
周辺視野 – 眠れる能力を引き出す「スポーツビジョンコーチング」


そうは言っても仕事とスポーツとは違うので、これらを仕事に活かそうと考えると、どうしても概念的なことにならざるを得ませんが、「自分はすべてを把握している」と慢心せず情報収集をこまめに行うのは「首振り」と同じアプローチでしょうし、自分が今フォーカスしているもの、人、場所だけではなく、その周りも含めてざっくりとでも把握しておくというのは「周辺視」と同じアプローチになるでしょう。情報を集めることと、集めた情報を処理することとを体に覚え込ませないと、視野は広がらないし、いつまで経っても連携が取れるようにはならない。

逆に、そういうことが出来て、「この人は今どういう状況で何を考えているのか」を把握しながら自分の作業が出来るようになれば、適切なタイミングで連携を取ることが可能になります。



ちなみに今現在の僕の悩みは、視野が狭く連携を取るのが下手な人に対し、プライドを傷つけず拗ねてしまわないようにしながらいかに上手く、視野を広げていくことの重要性を説くかということです。いちおう、目上の人なんでね……。マネージメントも任されるポジションにありながら、自分自身の作業しか目に入らない状況で、部署全体をスムースに回すことが出来ていない。それどころか、部署全体がスムースに回らない理由が自分が連携を壊しているという自覚がない。そういう場合、何から始めたらいいのか悩ましい。

何度か言ってみたんですけど、指摘を受けると感情的になるタイプのようで、中途半端に指摘すると切れて連携どころではなくなってしまう……めんどくせえなあ。自分自身の考え方について好き勝手言うのは楽で良いんですけど、人間相手はほんと難しいですね。どうしようかなあ。