とある特殊な環境の職場で働くことについて

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職場が丸わかりなので控えてたんですけど、不適切なことを書くわけではないし、そもそもプライベートなことを書くことについてあんまり気にしてないし、ぼんやり黙ったままそこで得た知見だけかくのも難しいので、この際書いちゃいますけど、去年の5月から昼の仕事が変わってます。

去年の5月半ばまでは電動アシスト自転車の企画・設計・販売を行う会社でweb関連全般担当エンジニアとして働いていました。5月下旬以降は、夜の職場の居酒屋の縁で、斎場、いわゆる火葬場のフードコートで働いています。個人情報どうこうの話以前に、あんまり嬉々として書くような職場でもないので書くのを控えていたんですけど、立地的に、「ちょっと寄ってみた」みたいなことは起こりえない場所にありますし、まあいいかなと。前職(レコード販売・レーベル)の時は、Tumblrかなんかの使い方を聞きに店頭に来られた方がいて驚愕しましたが、残念ながら今はそういうの無さそうです。まあくっそ忙しいので、来られてもうどん出すくらいでなかなかお相手出来ないと思いますが。



仕事内容は調理全般

仕事内容は、ざっくりいうと食事の提供です。調理、になるのかなあ。基本、冷凍うどんを茹でて盛り付けて出す、というのが仕事ですが、関連して、カレーに付ける付け合わせを作るとか、定食に付けるお総菜をつくるとか、うどん用の九条ネギを刻むとか(冷凍を使わないのが社長のこだわりみたいなので)、単純作業のアルバイトと言うよりは、割と飲食業に近い経験を積ませてもらっています。

スタッフは少ない日で5人、多い日だと9人くらいいて、そのスタッフのまかないを作るのも僕の仕事です。なるべく毎日違うものを作ろうと頑張ってるんですけど、扱う生鮮食品が少なく、必然食材に使えるものが少なくてまあ難しい。毎日うどんというわけにもいかないし。メニューにはカレーライスやおにぎりもあるので、お米は炊いてるんですが、営業だけで足りなくなることが多くて、結局まかないはうどんの出番が多くなりがち。材料や料理法や味付けを変えてバリエーション持たせようとはしてるんですけどねー。なかなか難しいです。

ただ最近はまかない作ることにも慣れて来て、家では主に同居人の好き嫌いが理由で作れない/作らない料理がたくさんあるのに対し、フードコートでは基本なんでもOKなので、この際、自分が作りたいものをなんでも作ったろと思ってます。肉とか野菜とか、使いたい食材があったら買っていっていいと言われてるしね。



職場スタッフは、男性は僕ともう1人だけで、他は全員年上の女性です。女性は40代が1人、50代が2人、60代が3人かな?男性も多分50代。僕も今月で40歳になるわけで、正直十分おっさんなんですが、周りが一回り以上年上なので、ほとんど息子のようにかわいがってもらってます。「やっぱ若いなー」と良く言われますが、いや、若くはない。比較的ってことなら若いけど(笑)

最初はあまりにギャップがありすぎて上手くやっていけるかなと思ってましたけど、ま、杞憂でした。自分ではあまり自覚的ではないのですけど、そういうコミュニケーション能力、意外と高いんですよねえ。夜の仕事もあるので、遅く入って少し早めに上がらせてもらってて、ややもすると「使えない人」認定されるところですが、おばちゃんたちは厳しいからね、そこは時間内全力で働くことでなんとか認めてもらってる感じ。そのあたりは、バトルですよね。はい。



特殊な職場環境とは

で、どのへんが「特殊な環境」かっていうと、このフードコートは、いわゆるお別れをした後の待ち時間を潰す待合所に隣接する形で設置されているんですね。フードコートと言うけれど店舗はうちだけ。競合は缶ジュースの自動販売機だけです。こちらが呼び込むまでもなく、お客様は向こうからやってきます(全員が飲食されるわけではないですが)。そして、葬祭業者のかたを除くほとんどの方が一見であり、次来るのはしばらく先。どんな食べものを提供しても、それによって店の評価が上がったり下がったり、まあしないわけです。もちろん我々は、いずれ、「斎場に行ったら美味しいものが食べられるよ」と言ってもらえるように、本気で美味しいものを作って提供しているつもりなんですけど、まあね。期待はしてません。そういう状況なので。

また、来られるお客様の状況も特殊です。多くの場合、団体の内の何人かはとても悲しい気持ちでおり、それ以外の人たちもぼんやりした寂しさを持ちつつ、久しぶりに会った親戚、知人と旧交を温めるという感じです。そして多くの団体は、血の繋がった人たちの集団であり、集団として特徴的であることが多いです。仕切る人がいてその人に任せてまとまる家族もあれば、1人1人が勝手に行動して自由気ままに注文する家族もあり、家長が突っ走って周りが振り回されている家族、家族全体が「イラチ」で待てない家族、全員が大食漢で体格の良い家族、女性陣が全員美女の家族、おばあちゃんから孫まで残らずやんちゃな家族……などなど。詳しくはそのうち書くこともあろうかと思いますが、普段生活していると自分の身内くらいしか血縁全体の性格を知ることってないので、今みたいな環境でまとめていろんな家族を次々に見ると、ほんと興味深いです。人間というのは、特殊な状況であればあるほど、素が出るんだなあと毎日思っています。マジで色んな人がいます。


というわけで、そんなところで働き始めてもう8ヶ月経っちゃいました。早いなー。その間にとてもたくさんのことを見聞きし、感じてきたので、書いて差し支えのない範囲で、そういうことも書いていこうかと思っています。ああ、葬祭業界の内情暴露、とかにはなりません(笑)そういうセンセーショナルなやつは僕には向いてないので。淡々と、感じたことや発見を提示することになると思います。ほんとね、面白いところですよ。ここは。行くのすげー大変だけど。