2つの「久米仙」に関するお話

泡盛 八重泉


泡盛を買おうと思ってみてるとき、面白いことに気付きました。
「久米仙」て2種類あるんですね。

1つは「株式会社 久米島の久米仙」の「久米島の久米仙」。
もう1つは「株式会社 久米仙酒造」の「久米仙」。

「久米島の久米仙」には登録商標のRマークが付いてて、これ絶対揉めてるよなーと思いつつ、友人に調べてもらったらこんな回答が。

久米仙、調べてみたけど、特に面白い話は見当たらなかった。

商標的には、久米島の久米仙が古くから「久米仙」を持ってて、久米仙酒造は、「那覇久米仙」「本家久米仙」を取ろうとしたけど、「久米仙」があるから拒絶され、結局、久米仙の文字を含む登録で持ってるのは、「久米仙酒造株式会社」と、「久米仙酒造 くろ」のみ。



関係者に聞かないと分かんないっすね

なるほどなー。「久米仙酒造」の申請を考えると、もしかしてもともと久米仙酒造が久米仙を作ってたけど、先に商標取られて慌てて申請したけどダメで、でもまあ「久米島の久米仙」的に文句付けるほどでも無いしまあいっか的な感じで、両方あるみたいな感じかなあ。

念のため両社の沿革を調べてみるとこんな感じ。


沖縄泡盛の久米仙酒造 – 会社情報

1952年 那覇市大道に資本金US$10,000で創業

(略)

1978年 泡盛業界初の卓上ボトル「久米仙グリーンボトル」を発売
販売量が飛躍的に伸びる。
業界の需要拡大に貢献する。


沿革 | 琉球泡盛 久米島の久米仙

昭和45年 法人化 合資会社 仲里酒造

(中略)

昭和62年 久米島の久米仙事務所新築[浦添市]



久米仙酒造が1952年、久米島の久米仙が1970年なので、どちらかというと久米仙酒造の方が先っぽいですね。久米仙酒造は1952年の設立時点でその名前だったっぽい(久米島の久米仙は「仲里酒造」だった)ので、久米仙酒造が商標登録に無関心で、その間に久米島の久米仙が取っちゃったってことかな。Wikipediaにはこんな記述が。


久米島の久米仙 – Wikipedia

株式会社久米島の久米仙(くめしまのくめせん)は、沖縄県島尻郡久米島町に本社を置く日本の酒造(泡盛)メーカー。沖縄県内最大級の生産規模を誇る、泡盛の代表格。積極的に県外にも進出している。社名に「久米島の」と付けているのは、那覇市に「久米仙」を生産する久米仙酒造があるためで、両社は全くの別会社である。



なるほどね。お互いに何らかのやりとりはあるって感じですね。
詳しくはちょっと両社の人とか、関連してる特許事務所とかにでも直接聞いてみないとわかんないですけどね。
(とりあえず両社に問い合わせてみました)



ちなみに

本土でよく見掛ける久米仙は基本的に、久米島の久米仙。コンビニやスーパーにおいてあることも多いので、見掛けた人は多いと思います。




一方で久米仙酒造の方はこれ。花柄のラベルが目印です。




実は久米仙酒造の方は飲んだことないんですけどねー。久米島の久米仙の方は、良くも悪くも普通の泡盛ですね。飲みやすいし。また今度、久米仙酒造の方も買ってみます。