仕事におけるコミュニケーションのメリット/デメリット

内部でのやりとりであれ、外部でのやりとりであれ、僕は「仕事」に関するやりとりは基本的には文字で残すべきだと考えています。一方通行でしかないメールで行ったり来たりするのを待つのは非効率だと、直接ミーティングをして一気に物事を進めてしまうというのも方法としてもちろんアリで効率的だとは思うのですが、そのときの雰囲気で決まったものを誰も文字に起こさず何も残さず個々人の記憶に頼って終わりにすると、必ず後で揉めます。そんなの細部まできっちり覚えているわけがないんであって、結局声がでかい人「これは確かにこうだった」と言いきれる人の意見だけが通ることになります。それが正しければそれでも良いけど、それなら先のミーティングなんぞ要らなかったんじゃないかと思ってしまいます。ねぇ?


一方で、全てのやりとりをメール(やメッセンジャー)で済ませようとする人ってのも困ったもんです。お互いの予定を摺り合わせる必要がないとか、送った/受け取ったことを文字で残せるという点でメリットは小さくないのですが、先ほども書いたとおり結局は物事が決まるのに時間が掛かることが多いです。アポイントメント取ってその人の所に行って5分くらいの話で終わったりする話が、メールの行ったり来たりで3日とかになったりします。どちらかがあんまり話を進めるのに気乗りしないという場合もありますが、そうでなければこれは結局非効率ということかと。


要は、この2つのバランスを取ることが大事だと思うのですが、この偏り具合というのは人によって結構違います。


メールを書くことになれていなかったり、自分の意見をきちんと文章で説明することが出来ない人の場合、ちょっとしたことでもミーティングをしたがります。多分、ミーティングって言う音の響きが好きなんでしょう。確かに複数人で顔を合わせて会話をすると何かが決まった気になります。でも全てそうでなくてもいい。少なくとも、叩き台の準備とかそれに対する感想とかその辺りは別にみんなで集まらなくても出来ますし、集まってから議題が発表されるミーティングになってくると効率は絶望的です。1行で書けるその議題を事前に出席者に配布しておくだけで随分違うのに。

またミーティングの結果を誰かがきちんとメモを取り、議事録…とまでは行かなくても結論として文書化してくれるような場合は良いのですが、そもそもそんなことしたくないからミーティングしてるような人たちが集まっていると後に何も残りません。ずーっと後になって、あのときどう決めたっけ?から始まってあーだこーだなってもう1回同じミーティングをやったり、長々と電話で議論したり、今になって結論らしきものに不平不満を言い始めたりします。間が抜けてますね。


メール偏重の人は技術者に多いと思います。僕も多分そうです。正直に言えば、文字で残しておきたいという気持ちが6割くらい、直接言うのは面倒くさいというのが4割くらいです。後ろの4割はあまり褒められたもんではありません。効率の悪いピンポンゲームを繰り返したり、文章でかっちりとした事が上がってくるまでは一歩も動かなかったりします。またミーティングをしようという提案が鬱陶しくて仕方がないので、そうなる前に決めてしまおうと考えて、性急に事を進めようとしたり、長々としたメールを送ったりして、逆効果(長文メール読むのは面倒だから直接説明させよう的な)になったりしています。

また先ほども書いたとおり、時間的コストも無駄になります。極小なやりとりにメールを使おうとすると、時間的コストは行って帰ってで極小でも普通サイズでも同じようなコストになります。リアルタイムに物事が決まっていくような気はしますが、それは結局錯覚でしかなくて(実際は相手の返事を待つラグがある)、全体で見ると著しく効率を欠いてしまっているわけです。手段と目的をはき違えてますね。



結局は2つの手段を組み合わせて使った上で、双方のメリットも確保するというのが正解なんだろうなと。当たり前すぎる話なんですけどね。

例えばミーティングだけ、メールだけでは無しに、ある程度事前にメールでやりとりして土台を固めておくとか、ミーティングの結果は必ずメールで回覧するとか、議題によってどんな形で決めるかをきちんと判断するとか(最低でもリーダーが。出来れば全員で意識する)。どちらか片方に偏って肯定/否定を繰り返すような図式ってのはよく見ますけど、多分この2つは組み合わせてこそ効果があるんだろうなと思うわけです。はい。自省も込めて。