【読書感想文】 ひろゆき / 僕が2ちゃんねるを捨てた理由

僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)僕が2ちゃんねるを捨てた理由 (扶桑社新書 54)
ひろゆき
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2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)』に続く新書シリーズ。今回も、ひろゆきの雑談が全編にわたって掲載されていて、一定の構成がある本というよりは作り方(ひろゆきにインタビューしたものをライターがまとめる)通り、なんとなく最近興味があることについて語っていって紙幅が尽きたらじゃあ終わりましょうかみたいな感じ。ひろゆきならではな感じだなぁ。


ひろゆきが常々語っていることについて、冷静なんじゃなくて論理的に考えていくとそうなるんだけどってことを話しているだけで、むしろ他の人がなぜそうしないかがわからない、って言ってるんだけどまぁねぇ。そりゃそーだとも思うな。暇がないってのもあるんだけど、情報を集めることとか考えることととかに興味がないっていう人も多いよなぁと思う。身の回りのよしなしごとを考えるんであればそれで全然問題ないんだろうけど、社会的なこととか仕事のこととか、何か大事なことを考えるときにもそういうことが出来ないっていうのはねぇ…僕に言わせりゃ重大な欠陥だと思うんだけどね。そう言う人が大事なポジションにいるってことが損失っていうか。感情はどう手続き踏んだって変えるのは難しいけど、論理的に考えるって言うことは、論理的な手続きを踏みさえすれば修正が容易に可能っていうことでもあるんでね。


まぁそんなわけで、弾さんが言っているような自分自身についての記述も含みつつ、相変わらずひろゆきの雑談がだらだら続き、何となくわかったようなところで終わるっていう感じ。

日本テレビの土屋さんとの対談の話とか(これって、藤やんが言ってるのと同じじゃないのかなぁ)、水曜どうでしょうに言及していたりとか(でもインプレスTVだけが全国普及の手段ではないよ)、新聞やテレビ局が赤字なのは経営者が無能だからだとか(確かにこれだけ儲ける構造ができあがってて赤字垂れ流しって首釣れるレベルだろ)、いろいろと取り上げれば面白い部分はあるんだけれども、そう言うのはとりあえず弾さん始め色んなサイトで取り上げられてるんでまぁいいや。ひろゆき自身も、インタビューを受ければニコニコの話をしてるし、講演したらWebの未来について語らされてるし、ていうかニュー速でだらだら雑談してるし、どこでも読めます。最近、出過ぎw



ああそうそう、第5章がひろゆきの生い立ちを振り返るみたいな構成になってて、そこだけは他と違ってひろゆきの個人的な話で結構面白い。元々は物理学者を目指してたのに、物理の単位落としたとかなんやかやで文系に進まざるをえなくなったとか。なかなかファミコン買って貰えなかったけど実はPCでゲームはやってたとか。

理系に進まなかった理由の1つが、数学の授業や受験についての話にあって、高校の数学って結局は公式をどれだけ覚えて当てはめていくかっていう話だからつまんない、みたいなことが書いてあったんだけど…まーあまり好きじゃない人はそういう風に取るかも知れないなぁと思ったり。プログラムにしたってなんにしたって、定理や公理、関数や仕様をある程度覚えた上でそれを組み合わせていくってのは当たり前のことなんで、そりゃその基本である高校数学もその体系に倣ってるに決まってるんだけど、要するに見せ方が上手くなかったんだろうなと。授業のね。

自分の高校の時の数学の授業を振り返ってみると、「数学」という意味で言うと他に記憶のないくらい最悪な授業で、毎日問題集を解くだけ。別に他の科目の授業もそうだったわけじゃなくて、その教師が個人的にやる気無かったってことなんだろうけど、もうね、ただ淡々と生徒を当てて問題解かせていくだけなわけ。僕は数学好きだったけどその授業は嫌いだったから、自分が当たるところの問題だけやってあとは漫画読んだり、当時行ってた数学塾で借りてきたもっと面白い数学の問題を解いたりしてた。先生の話を聞いてた記憶なんかねー

当時行ってた数学塾は、もちろん大学受験のための数学を教える塾だったんだけど、先生が普通に数学好きな人で、当時には珍しいバリバリのMac使いで、色んな数学モデルを作って見せてくれたりだとか、大学の受験問題の中から個性的で面白い問題を抜き出してくれたりとか、影響されて「大学への数学」を定期購読してたりとか、秋山仁さんが講演に来て連れて行ってもらったりとか、なんていうか凄く幸せな数学を学んだのね。だから僕は、授業はクソだったけど数学は好きで、物理の先生とも仲良かったから単位落とすこともなく理系に進んだのだけど、そういうのは個人の力だけでは何ともならんときもあるよな。

大人で「興味はあるけど接する機会がない」とか言ったら、「馬鹿お前自分で近づいて行けよ、アホか」って言われるのがオチだけど、子供で何の環境もない状態で興味を追求していくってのは…実際無理だからね。どんな偉そうに、俺は子供の頃からプログラミングしてるとか言ったって、そりゃ父親が技術者で家にPCあったとか、友達に詳しいヤツがいて触らせてもらったとか、何らかの機会があってのことだから…そんなもんかもしれない。



なんか話が激しくずれてるけど、紙幅が尽きたのでこの辺で。



ひろゆきの語るWebの未来とかなんとかについてはこの辺で読めます。

Interopの基調講演に、ひろゆき氏&夏野氏の黄金コンビが登場。数百人の立ち見も出る超満員の会場で、「日本はITに自信を持ち、積極的に海外に出て」と呼び掛けた。