スマイリーキクチの件をブログ炎上と言ってはいけない

著名人などのブログに悪意の書き込みが集中して閉鎖に追い込まれたりする問題で、警視庁は、男性タレント(37)のブログを攻撃した17?45歳の男女18人について、名誉棄損容疑で刑事責任を追及することを決めた。
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「殺人犯」などと事実無根の書き込みが繰り返されたという。警察庁によると、「炎上」と呼ばれる現象を引き起こす集団攻撃の一斉摘発は初めて。匿名を背景にエスカレートするネット世界の“暴力”に歯止めをかける狙いがある。

(中略)

 きっかけは約10年前、所属芸能事務所が「足立区出身の元不良」とのうたい文句で男性を売り出したこと。その後、インターネットの掲示板に、男性を犯人扱いする書き込みが始まった。所属事務所は2002年、ホームページ上で「事件とは全く無関係」と告知したが、効果はなかった。

 男性のブログは中傷を消しても消しても、後から書き込まれる状態が続き、昨年4月、男性はブログを書き込み禁止にするとともに、「タレントとしての名誉が著しく傷つき、芸能活動に重大な支障が生じた」として、中野署に被害届を提出した。
 


Webに造詣が深いとは言えないマスコミに期待しても仕方がないのだけど、
いくら見栄えのする言葉だからと言ってこれを「ブログ炎上」と呼んではいけない。
これはブログとは無関係に複数の人間が、
証拠も無いのに特定個人に粘着し、中傷・嫌がらせを続けた傷害行為であり、
一般的に「ブログ炎上」と呼ばれる事象とは性質が全く異なる。

この事件を「ブログ炎上」と呼ぶことによって、
ブログの価値が損なわれるだけでなく、この事件が矮小化される。
また被害者のスマイリーキクチさんに何らかの落ち度があったのではないかと錯覚させうる。
「炎上」とは、例えば毎日新聞の一連の騒動のように、当事者の落ち度や行為に対して、
制御できないリアクションが生じたものを言うのではないのだろうか。



報道の仕方としては、今現在ブログを舞台にしているというキーワードから、
最近よく目にする「ブログ炎上」という言葉をもらってきて、
目当たりの良いタイトルをつけというただけだろうけれども、
炎上するからには炎上するだけの理由がある。

今回のように当事者に一切の問題ないしはきっかけがないのに一方的に粘着し、
攻撃し続ける姿勢ははっきり言って炎上以下の行為であり、人道に悖る。
この事件を「ブログ炎上」という耳障りの良い言葉で収めるのではなく、
きっちりと事件として片を付けるべきだと思う。