【読書】 椎名 誠 / 全日本食えば食える図鑑

4103456175全日本食えば食える図鑑
椎名 誠
新潮社 2005-07-28
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食とは文化である。

いやまぁ、当たり前のことなんだけど、
普段1つの街に長いこと住んでると、そこの食が普通だと思えてくるよね。

でも例えば、全国どこにでもある、『ラーメン』という料理1つ取ってみても、
そこの街で、どんなものが取れるのか、
どんなものが伝統料理でどんな味が好まれるのか、
そんなこと、つまり、文化がその食に色濃く浮き出てるって言う。

で、その街に住んでると、そういうことはなかなか分からないんだけど、
他の街に出かけて、自分の中になかった味に出会うと、
その味がその街独特だと思うと同時に、
自分の街の味にも、そんな独特さ加減があるんだってことに気付く。


この本は、2004年に週刊新潮で、
『全日本奇食珍食大紀行』という名前で連載されていたものをまとめたもの。
その名の通り、全国の変わった食べ物を探し、紹介していくという話なのだけど、
それがただ珍しいと言うだけではなくて、
読んでるうちに、なんだか食べたくなってきてしまうから不思議。
(…例外もあるけど。)

とりあえず、目次を眺めてみてもらうとわかりやすい。

  • 睾丸のようなもの。ぐねぐねするやつら。―沖縄県 与那国島・石垣島
  • なんてこったの肛門チンポコ生物。―佐賀県 有明海・唐津
  • 決め技はコリコリとずるずる。―京都府 伊根・丹後
  • 奇食ではなく貴食なのであった。―北海道 阿寒湖
  • ヒトは禁じられると求めるものだ。―岩手県 遠野・宮古
  • 高知の山海秘密の三本勝負。―高知県 安芸・大方
  • 食うか食われるか。ミキにはキミの夢がある。―鹿児島県 奄美大島
  • でっかくて黒いやつ。小さくて黒が好きなやつ。―青森県 鰺ケ沢・下北半島
  • 輝け!第1回全日本麺の甲子園大会。―日本全国
  • でらうまの謎。―愛知県 名古屋
  • 愛と策略の蜂の子まぜごはん。―長野県 白馬・穂高
  • 鮒ずしへの詫び状。―滋賀県 琵琶湖

もう、初っぱなから、『睾丸』ですからね。
下品ていうか、えっとあんた何食ってんの?と。

でもそこで読むのを止めちゃっちゃーそれは“食わず嫌い”。

目次を見なかったことにして読み進めていくと、
確かに食材は、全国的に食べられている物ではなかったにしても、
それなりにきちんと手を加えられ、ものによっては、
かなり美味い、知らなかった!というものもあるらしい。

この辺の、椎名さんの書く、
何かを美味しく食べてる様ってのは、もうホントにお腹が空く。

いずれ、是非、ウツボを食べてみたい、と思ったのであった。
(外道として釣り上げたことはあっても食べたことはないなぁ…)



なお、最初に書いたとおり、食は文化であり、
必然、この本も、ある意味で、
食の珍しい部分、つまり余り知られていない文化、を紹介している本になっている。

そのせいか、なんかやたらと、興味をそそられる引用がたくさんあるのね。

自分で後から読んでみるつもりで、
目次毎に、参考文献も書き出してみたので、
参考にしてみて下さいませ。
(古文書も含むけど)

『香辛料の民族学』とか、そそられるなぁ…



睾丸のようなもの。ぐねぐねするやつら。―沖縄県 与那国島・石垣島
なんてこったの肛門チンポコ生物。―佐賀県 有明海・唐津
4484014076イソギンチャクガイドブック
内田 紘臣 楚山 勇
阪急コミュニケーションズ 2001-07
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4582040012世界大百科事典 プロフェッショナル版―CD-ROM
平凡社 1998-03
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4905930057有明海の生きものたち―干潟・河口域の生物多様性
佐藤 正典
海游舎 2000-11
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決め技はコリコリとずるずる。―京都府 伊根・丹後
4059020133古事記 (学研M文庫)
梅原 猛
学習研究社 2001-01
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464206608X延喜式
虎尾 俊哉 日本歴史学会
吉川弘文館 1995-02
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奇食ではなく貴食なのであった。―北海道 阿寒湖
月刊 アイワード(2000年2月)
4944024576エゾシカを食卓へ―ヨーロッパに学ぶシカ類の有効活用
大泰司 紀之 本間 浩昭
丸善プラネット 1998-09
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B000OI1FN4ディア・ハンター
ロバート・デ・ニーロ クリストファー・ウォーケン メリル・ストリープ
ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン 2007-06-14
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4880091049
河野 友美
真珠書院 1991-07
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4121015452ザリガニはなぜハサミをふるうのか―生きものの共通原理を探る (中公新書)
山口 恒夫
中央公論新社 2000-07
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ヒトは禁じられると求めるものだ。―岩手県 遠野・宮古
4422210106中国の食文化
周 達生
創元社 1989-07
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4522215592海辺にいる生きもの―磯、砂浜、サンゴ礁ウォッチャーのためのガイドブック
伊藤 勝敏
永岡書店 1997-06
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4425850718貝殻・貝の歯・ゴカイの歯
大越 健嗣 日本水産学会
成山堂書店 2001-10
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B000J7EH2Q江戸科学古典叢書〈41〉千虫譜 (1982年)
恒和出版 1982-12
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水族志
高知の山海秘密の三本勝負。―高知県 安芸・大方
4532520487マダガスカル異端植物紀行
湯浅 浩史
日経サイエンス社 1995-11
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4121010442パプアニューギニアの食生活―「塩なし文化」の変容
鈴木 継美
中央公論社 1991-10
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4121008820香辛料の民族学―カレーの木とワサビの木 (中公新書)
吉田 よし子
中央公論社 1988-06
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料理物語(寛永20年)
4876396078樹木がはぐくんだ食文化
渡辺 弘之
研成社 1996-11
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4393751183マタギ食伝
村井 米子
春秋社 1999-10
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4389500333文化としての食と旅
周 達生
清水書院 1998-01
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490074770X楽しい野生食―採った・作った・食べた、みんな元気
木佐森 千砂子
いしずえ 2003-03
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4166600990毒草を食べてみた (文春新書)
植松 黎
文藝春秋 2000-04
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食うか食われるか。ミキにはキミの夢がある。―鹿児島県 奄美大島
4121000102アマゾン河―密林文化のなかの七年間
神田 錬蔵
中央公論新社 1963-03
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4931376258新版 シマヌジュウリ―奄美の食べものと料理法
藤井 つゆ
南方新社 1999-07
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4093941262奄美 光と水の物語
浜田 太
小学館 2003-09
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4861240018蘇鉄のすべて
栄 喜久元
南方新社 2003-11
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でっかくて黒いやつ。小さくて黒が好きなやつ。―青森県 鰺ケ沢・下北半島
4896944135海の味―異色の食習慣探訪
山下 欣二
八坂書房 1998-06
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輝け!第1回全日本麺の甲子園大会。―日本全国
でらうまの謎。―愛知県 名古屋
478850572X地域性からみた日本―多元的理解のために
ヨーゼフ クライナー
新潮社 1996-12
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愛と策略の蜂の子まぜごはん。―長野県 白馬・穂高
4582805310本草綱目啓蒙〈1〉
小野 蘭山
平凡社 1991-04
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想山著聞奇集(1850年)
鮒ずしへの詫び状。―滋賀県 琵琶湖
4883251071ふなずしの謎
滋賀の食事文化研究会
サンライズ印刷出版部 1995-10
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4000027212魚醤とナレズシの研究―モンスーン・アジアの食事文化
石毛 直道 ケネス ラドル
岩波書店 1990-04
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賦役令(718年)
4620316350くさいはうまい
小泉 武夫
毎日新聞社 2003-07
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うわー結構高い本多いな…

『香辛料の民族学』、『シマヌジュウリ』、
『魚醤とナレズシの研究』『地域性から見た日本』あたり
読んでみたいけど、
手が出ないなぁ…


図書館行ったらあるかなぁ…