【ドル円】 米雇用統計などの影響で一段円安に(執筆時点で103円91銭)

ドル円 2014/04/04

先週「最近、値動き少ないですね」と書いたばかりなんですけど、先日発表されたアメリカの雇用統計が良かったことなどの影響で、ドル円が円安に。昨日は一時104円台に乗せるといった状況になっています。



ロイターを見てみると、こんな感じに。

UPDATE 1-NY外為市場=ドルが対円・ユーロで上昇 米指標が寒波の悪影響和らぎ示す | 外国為替 | Reuters

オートマチック・データ・プロセッシング(ADP)などが2日発表した3月の全米 雇用報告によると、民間雇用者数は19万1000人増と予想をやや下回ったが、2月の 雇用者数が上方修正されたことが注目された。 シティの通貨ストラテジスト、ブライアン・ザーネット氏は「ADP雇用報告では特 に2月分の上方修正が、ドル買いのシグナルとみなされた」と述べた。 2月の米製造業新規受注が予想を上回る伸びとなったことも、米国経済の楽観的な見 方につながった。


なるほどねー。
今後の予想についても、

UPDATE 1-NY外為市場=ドルが対円・ユーロで上昇 米指標が寒波の悪影響和らぎ示す | 外国為替 | Reuters

市場では、米労働省が4日に発表する3月雇用統計が強い内容になれば、ドルが急伸 する可能性があるとの思惑も浮上しつつある。もし雇用統計がより堅調な様相を見せれば 、米連邦準備理事会(FRB)は来年の早い時期に利上げする一方、欧州中央銀行(EC B)と日銀は現状の緩和姿勢を維持するかさらに緩和を強化する、との見通しがドル高予 想の主な理由だ。


とあって、「年内110円」と言い出している人もいるなど、流れが変わるぞてきな判断が多め。ただし今すぐというわけではないみたいで、昨日午後から今日にかけての市場は「104円を挟んでもみあい」っていう感じっぽい。まあ色んなポジションの人がいますからねえ。全員が全員、投機目的に値の差し合いをしてるわけでも無いし。

ともあれ、この間の記事で僕がうっかり書いた「来週アメリカの雇用統計が出るらしいので、それ待ちですかねえ。あんまり動きそうにないですけど。」っていうのは全くの外れでした。投資してないから「外れたなあ」で済むけど、投資してたとしたら雇用統計の予想もきちんと追いながら円安に振れるのも考慮に入れておかなくてはいけなかったんでしょうね。外国為替の投資は難しいなあ。FXとか全然やれる気しない。怖すぎ。

個人的な感覚で言うと、株は競馬、外国為替はパチンコ。同じギャンブルでも予想を組み立てる要素が多い競馬に対して、言説の半分は結果論でもう半分は運みたいな世界がパチンコかなあと。もちろんパチンコにはパチンコなりの理路があるんでしょうけどね。僕には無理っぽいです。



ユーロ円/ポンド円

ユーロ円 2014/04/04
ポンド円 2014/04/04

執筆時点で1ユーロ=142円57銭、1ポンド=172円42銭。

先月末からの円安の流れをそのまま引き継ぐ形で円安、なんだけどグラフよく見るとユーロもポンドも5円くらいの比較的大きな幅で値が動いてるのね。どちらも対円での材料はあんまり無いのかな?ドルの影響がそのまま出ている感じ。ただ日銀の動き(「現状の緩和姿勢を維持するかさらに緩和を強化する」)があればこちらはこちらで、円安に振れていくのかなあという気もします。

なんかどんどん海外旅行しづらい状況になっていきますねえ。仕方ないですけど。



ちなみに中国・人民元の値動き

ドル元 2014/04/04

ドルの影響もあって元高になってます。中国政府としてはこの急激な元高の値動きを嫌ってるみたいでこんな話が。

上海外為市場=人民元が下落、人民銀が当面の相場上限を示唆か | 外国為替 | Reuters

人民元は1日と2日に、一時的ながら1ドル=6.2元よりも元高に振れた。しかし人民銀がこの日の基準値を元安に設定したことは、今はこの水準(6.2元)を元相場の上限にしたい意向であるとのシグナルであるとみられている。   人民元 のスポット相場は正午ごろの段階で前日終値(6.2056元)比0.02%元安/ドル高の1ドル=6.2068元。人民銀はこの日の基準値を、前日の同値(6.1493元)比0.04%元安/ドル高の6.1520元に設定した。

  市場は、人民元が6.2元よりも安くならないとの見方から投機筋が大量のロングポジションを築いていたと考えている。しかし人民銀が2―3月に元安局面を誘導したことは、こうしたロングポジションに打撃を与えた。   人民元は2―3月に2.54%下落。2カ月間での下落率としては、国内に外国為替市場が設立された1994年以来最大の大きさとなる。アナリストらは、中国当局が、対外貿易が1年の中でも少ないとされる1―3月という時期を利用して、投機筋の足をすくったと説明する。

  しかし、今週に入り企業によるドル売りが増加。中国の対外貿易が回復し始めた可能性を示す兆候と言え、為替市場へのドル供給が増えている。その意味で、今回の人民銀主導の人民元下落局面はおおむね終わったかもしれないと市場関係者はみている。   トレーダーの多くは、中国の対外貿易が4―6月に回復し巨額の貿易黒字が生まれると予想。国内市場でドルが潤沢にある中で、人民銀が人民元相場を押し下げるために介入しようとした場合、大量のドルを買う必要が生じる。



市場が元安に向いてたんでちょっと緩めてたんだけど、元高に振れたんで強めに介入しましたよ的なお話。

なんか当局の意向が強すぎて嫌な感じなんだけど、でもこれが中国なんだよなー。仕方ない。貿易黒字増加による元高圧力上昇→さらならるドル買い介入ってもう中国どれだけドル買うのって感じですね。元を刷ってドルを買うってそんなん良いのとも思いますけど、でもそれと破綻しそうで破綻しない国内経済のバランスを何とか取ってる中国政府ってのはすごいなとも思います。国家運営がそんなギリギリで良いのかなという思いもありますけど。



今日の報告は以上です。