京都における震災がれき処理受け入れに関する動きについてのまとめ

全然知らなかったのですが、ざっくり次のような話を聞きました。
  1. 京都府が福島のがれき処理の受け入れを発表
  2. 処分場に持っていって燃やすらしい
  3. 抗議多数
  4. 受け入れ撤回 ← イマココ

京都新聞では報道されたようなのですが、全国的なニュースにはなっていないようですし、
市民しんぶん、府民しんぶんともに総スルーで凄く気持ちが悪かったので、
京都新聞の記事を抜き出してまとめてみました。

話の流れ

【4/17まで】 環境省が被災地および沖縄県を除く42都道府県に震災がれき処理の受け入れを打診

東日本大震災で発生した大量のがれき処理を広域的に進める必要があるため、環境省は17日までに、津波被害が大きかった岩手、宮城、福島、茨城と遠隔の沖縄を除く42都道府県に対し、処理の受け入れを打診した。

 同省の推計では、倒壊建物のがれき量は岩手、宮城、福島の3県だけで計2490万トンと、阪神大震災の1・7倍超。津波などを受け使用不能となった焼却場や最終処分場も多く、被災自治体だけですべてのがれきを処分するのは困難という。

 このため42都道府県には、広域処理の協力を依頼するとともに(1)不燃物やプラスチックなど受け入れ可能な種類(2)処理できる量と処理方法(3)処理に要する日数―などの回答も要請。近くまとまる回答結果を踏まえ、被災地から持ち出すがれきと受け入れ先を調整する。

 がれき処理は自治体事務のため、搬出する自治体が受け入れる自治体と事務委託契約を結ぶ必要があるが、処理費用は全額国負担となる見通し。

 福島第1原発周辺の倒壊家屋などのがれきについては、放射性物質で汚染されている可能性があることから、扱いを関係省庁と協議している。(共同通信)
 


この時点では放射性物質で汚染されたがれきの取扱いについては不明。と言うか未定?



【5/11】 京都市ほか5市町村が受け入れの意向

環境省が京都府内の市町村に東日本大震災の災害ごみ処理を打診したところ、京都市、舞鶴市、亀岡市、伊根町、船井郡衛生管理組合(南丹市)が受け入れる意向を示していることが11日、分かった。年間計5万3500トンを地元焼却施設で処理する方針だ。ただ、放射能の風評被害を懸念し決めかねている自治体も目立つ。

 環境省によると、岩手、宮城、福島の3県で倒壊家屋などの災害ごみは2490万トンで阪神大震災の1・7倍。現地の処理場も被災したため、同省は4月8日、被災地を除いた全国の自治体に協力を要請した。

 これに対し、京都市は最大の年間5万トンの生ごみ、がれきを受け入れる意向で、市内の焼却施設で処理する。市は「被災地を積極支援する。地元住民にも理解を求めていく」という。舞鶴市は家具などを同120トン受け入れ、「台風23号被害のとき、ごみを他市で処分してもらった。恩返ししたい」。亀岡市は家具など同2100トン、伊根町は大型ごみなど同100トン、南丹市と京丹波町の船井郡衛生管理組合はがれきなど同1200トンを受け入れる方針。
 


公式発表ではなく、京都新聞の調査っぽい感じ。
個人的には京都府による意図的なリークって可能性もあるよなーと思うけど別に何の証拠もないです。



【5/12~5/30】 京都市に対して多数の反対意見が寄せられる

被災地ではがれきなど2490万トンの災害ごみがある。環境省が全国の自治体に協力を依頼し、京都市は年間5万トンを受け入れる意向を同省に伝えた。

 受け入れを決めた11日以降、反対する電話やメールが市に殺到。震災ごみ関連で寄せられた意見163件のほぼすべてが反対だったという。

 子どもへの健康被害を心配する声が大半で、京都産の農産物の安全性や風評被害で観光客減を懸念する意見もある。市は「国が安全を確認したごみしか処分しない」と返答しているが、菅政権の情報隠しへの批判が高まるなか、「国の言うことなんて信用できません」と問い詰められるケースもあるという。
 


震災がれきと聞いて放射性物質のことしか考えられないのは、メディアの報道のせいもあると思います。

ま、最初にそれをきちんと説明できない行政がセンスないんですけどね。



【5/31】 南丹市と京丹波町、放射性物質に汚染されたがれきは受け入れないことを表明

南丹市と京丹波町でつくる船井郡衛生管理組合議会の常任委員会が31日、京都府南丹市八木町室河原の同組合で開かれた。東日本大震災で発生した災害ごみの処理や新たな火葬場建設について、事務局が経緯などを説明した。

 事務局によると、4月上旬に京都府から災害ごみの受け入れ可能量について問い合わせがあり、▽年間1200トンが可能▽危険物は受け入れない▽焼却できるごみに限る-と回答。5月上旬には、府が回答内容を各被災自治体に情報提供したという。

 事務局は「あくまで可能量や条件を回答しただけ。実際に申し入れがあれば、当然、地元との協議や組合議会の了承が必要になる」と説明。災害ごみの処理を巡っては、住民から放射線の影響を心配する声も出ているとした上で、「具体的な話があった時点で、特に処理施設のある南丹市と連携して対応したい」とした。

 また、新火葬場候補地検討委が4月に提出した報告書についても説明。候補地4カ所について、利便性や災害対策など11項目で評価したと報告したが、具体的な地域名や評価の結果は「神経質な問題のため」として明かさなかった。

 今後も「非公開を続ける」とし、最終的な用地選定は、管理者の寺尾豊爾・京丹波町長と、副管理者の佐々木稔納・南丹市長の判断に委ねることになった。遅くとも年内に決定し、組合議会に了承を求める方針。
 


本当は「汚染されていなくて燃やせるものなら上限いっぱい受け入れまっせ」というポジティブな話なのだけど、
話の流れとしては、「ごめん、汚染されたヤツは無理なんで」っていう話。



まとめ

聞いた話だと、なんか京都府が勝手に黙って放射性物質に汚染されたがれきを焼却して処理しようとしてるみたいな話だったのだけど、別にそう言う事じゃなくて、少しでも被災地のためにという話でした。そりゃそうか。

でもまぁ住民全員が(そして多分行政も)ヒステリー状態になっているのだから、曖昧なところを残さないように全部公開して市民に問うべきだと思うんだけどね。いつもだったら「多分こういう事だろう」というんで許してくれることが許されなくなってるし。
ぶっちゃけ気持ち悪いけど、でも仕方がないよね。感情はそう簡単に変えられないから。



ていうかこれ、政府の仕事じゃねーの

この話の気持ち悪さは、行政も住民も、誰も「どの場所ならどれくらいの汚染」みたいな地図を手に話してるわけじゃないって言うところ。それが解らんから「震災のがれき=放射能汚染」という発想になるけど、多分そうじゃないよねぇ。国はきちんと資料出して都道府県に対応を検討させているのか知らん?福島県の被災者の方には申し訳ないけれども、とりあえずは放射性物質の汚染が少ない岩手から順次引き受けて処理していくという話が出て然るべきだと思う、けど、何かそれすら出来ない状況っつうのはさあ。

いや本当に無政府状態なのかもしらんねぇ、これ。いまだに。3ヶ月になるのに…