ブログへの転載について(【続】JALからも返信をいただきました。)

JALからも返信をいただきました。

前回の回答に関して、
ブログへの掲載の許可を求めて再度JALに問い合わせていましたが、本日返信がありました。
回答は2行。

当社からの回答をブログなどへ掲載することは、お断りさせて
いただきますことを、何卒ご理解賜りますようお願い申し上げます。

了解いたしました。

たびたびのご回答、ありがとうございました。

で、転載の話。

なるほどねー。
日本航空というのはそういう会社なんだなーと思った次第。


企業からの回答は先方が望めばすべからく転載不可か?というとそんなことはありません。
大体言い分としては、あなた個人に送る私信であって、
それを送信者の許諾無しに公開することは著作権を侵害していることだ、ということなのですが、
私信かどうかを判断するのは送信者ではありません。

ここでいう私信というのは、その著作者による創作性が認められ、
著作物と認められるもののことですが、それは同時に、
誰が書いても同じような事実の伝達に関することは著作物とは認められません。

前回の返答はともかくとして、今回の返答はどう見ても型通りの返信であり、
事実の伝達であり、そこに創作性は一切なく、
よってこれは著作物と認められる文章ではないと判断して転載させていただきました。
これを私信というのは無理でしょさすがに。


担当の方は分からんけど、少なくとも企業の法務部はその辺は分かってるはずで、
でも余計な面倒ごとを引き起こさないためにも、
とりあえずそう書いておいたら自重してくれるしさ、みたいな感じなんでしょう。



【お客さま個人宛て 転載】とか【企業 メール 転載 問い合わせ】とかで検索してみると、
これと全く同じ型通りの文言がWEB上に溢れてることが分かるんだけど…
どっかになんかそういうコンサル的なアドバイスがあるのかな?

企業 メール 転載 問い合わせ – ウェブ検索

お客さま個人宛て 転載 – ウェブ検索


例えばこんな感じ。

メールでのお問い合わせ| 株式会社シャルレ
回答は、いただいたお問い合わせに対する内容をお客さま個人に送るものであり、転載、二次利用することはご遠慮ください。

キリンファーマ株式会社 > 企業情報に関するお問い合わせ
ご返事は今回頂戴したお問い合わせに対する回答を、お客様個人宛にお送りするものです。弊社からのご返事のeメールについて、一部または全部を転載、二次利用することはご遠慮くださるようお願いいたします。

企業情報
当社からのお返事のEメールは、個人宛てにお送りするものです。
一部または全部を転載、2次利用することはご遠慮ください。

IRお問い合わせ | 企業情報 | NTTドコモ
当社より送信するご返事の電子メールは、株主・投資家の皆様からお寄せいただいたお問い合わせなどにお答えさせていただく目的で、皆様個人宛てにお送りするものです。
当社からご回答した内容について、その一部または全部を転載、2次利用することはご遠慮ください。

NECについて : お問い合わせ | NEC
当社からお客さまへ送信する電子メールは、お客さま個人宛てにお送りするものです。回答の内容の一部または全部を転載、二次利用することはご遠慮ください。

CanCam.TV:お問い合わせ
返信させていただいたメールはご本人さまへの返信ですので、文面の転載・転送はご遠慮ください。

富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社 | お問い合わせ | 個人情報に関するお問い合わせ
当社より送信するお客さまへのE-mailは、お客さま個人あてにお送りするもので、転載はお断りいたします。

Sony Music Online Japan : お問い合わせ
当社より送信するお客さまへのご返事のメールは、お客さま個人宛てにお送りするものです。当社の許可なくメールの一部または全部を転載、二次利用することはご遠慮ください。



ああ、この件について日本航空が遅れてるとか批判するつもりはありません。
だって、こんなに溢れてんだもんよ。
僕だけ特別に扱うわけはないし仕方がないよね。
(フリーのジャーナリストとして取材を申し込んだならともかくね)



ただねぇ。


全く同じ文章を複数の会社が採用してるところを見ると、
あんまりよく分かってないんじゃないのかな?と思うんだよね。

それにOKを出すことでどんなデメリット/メリットがあるか、
そういう検討はもとよりしてないだろうし、
制限できるかどうかとかもよく分かってないんでしょう、きっと。

新聞社やテレビ局も基本的に同じなんだけど、
出来ればネットと関わり合いになりたくないって言う感じがあるよね。
余計なリスクは背負い込みたくない、と。

自分のところに利益があるようなことだけは積極的にやるし、
稼げることならやってくよ、でもWEBとは関わり合いになりたくない。
そういう企業が多いかなぁ…なんとなくね。
客の勝手な言い分に対する気持ちはよく分かります。
客対応したこともあるからね。

でもなぁ。




今回の件に沿って言うんであれば、
クレームとかならともかくとして…商品やサービスに関する問い合わせについては、
ある程度フリーにしちゃった方が楽じゃないかと思うんだよね。
いろんな手間も省ける。PRとか。
普通、まずググるでしょ。なんかあったら。企業サイトに行くより前に。

所詮風評なんてもんは、メールの転載禁止なんかでは防げないし、
大金払って監視させてるとしたらそれだいぶ無駄だし、
だったらOKにしちゃって、きちんとした返答用意した方が良いんじゃないの?とも。
著作権どうのこうのじゃなくて、返答に自信があったら、
転載したってデメリット無いはずなんだよ。基本的に。
(各企業のコンサルが何を言ってるかは知らないけど)


それとも、案件毎に許可/不許可の検討をしてると、
問い合わせ対応のコストが高くなり過ぎちゃうから一律NGなんかね?
ユーザビリティの全く感じられない対応だけど、
企業論理としては十分にアリだわな。




こうして比べてみると、日本航空の対応が日本においてはむしろ普通で、
積極的な許可ではないにせよ判断任せるわーって、
言えちゃう全日空の方がちょっと異端なのかもしれないですね。
(他の件だったらNGなこともあるんでしょうけど)


うん、そっちのが良いと思うんだけどね。