カフェの女性店員21


接客に不慣れな人の接客でありがちなことの1つに、「いろんなことを説明しすぎる」というのがあります。例えば、何か店側の不手際で、商品を渡すのが遅れてしまった場合に、どこまで説明するか?

本当の意味での正解は「相手による」だけれど、一般論としては、「お待たせして申し訳ありません。現在準備させていただいている最中でして、もうあと5分ほどいただければご用意出来ると思いますので、もうしばらくお待ちいただけますか?」という感じが正解かと思います。

正解と考える理由は、

  1. 待たせていることを謝罪する
  2. 具体的にあとどれくらい待てば良いかを示す
  3. 相手に選択権を与える
  4. 具体的な理由を説明しない

の4点です。

で、今、考えたいのが4点目の「具体的な理由を説明しない」についてです。例えばこれが、「……厨房のバイトがハンバーグを落としてしまいましたので、今もう一度焼き直しています。もうしばらく……」といった説明だったら、「おいバイト何してんだよ」と言うことになります。その理由を聞かされても事態が進展するわけではなく、お客様はイラッとするだけで、誰1人として得がありません。理由がはっきりしようがしまいが、一定時間待たされることに変わりはないのです。

一番大事なことは何か?この場合のそれは、お客様に余計なストレスを与えることなく、お待ちいただくということです。理由を詳しく説明することでお客様のストレスが軽減されるのであれば、説明することに意味はあるでしょう。でもそうでなく、ただ何も考えずに状況を詳らかにすることは、詳しく説明すること自体が目的化しているだけで、真にお客様のことを考えているとは言えません。そして、得てしてお客様は、謝罪といつになったら手に入るかの明言を求めていて、具体的な理由を知りたいとは思っていないものです。知ったところでどうしようもないので。

お客様が本当に必要としていることをきちんと把握して、それだけを簡潔に伝える。それが大事です。たくさん喋れば丁寧で親切であると思っている人は、なかなか上手くコミュニケーションが取れるようにはならないでしょう。丁寧かどうかは、セリフの中に含まれる単語数で決まるわけではない。


……ということを、当たり障りなく伝えたいといつも思っているんですが、伝える言葉が見つからないんですよねえ。難しい。良かれと思ってやっていることを摩擦なく止めてもらうには、どうしたら良いんだろうなあ。