【ドル円】 「100円超え、あるで」 引き続き円安模様(執筆時点で96円63銭) 【定点観測】

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昨日の続き。

【ドル円】 黒田日銀新総裁の追加緩和政策で円安炸裂中(執筆時点で95円48銭) 【定点観測】

バズーカ砲は海外市場にも着弾したようで円はドルに対して続落。「やるぞやるぞ」という期待先行で相場が動いているときは、いざ実際に方針が出てみると、「予想の範囲内→落ち着いて利益確定で戻る」「予想を下回る→反発」みたいな感じになることが多い気がするのですけど、今回は「予想をさらに上回る→今まで(仮)だった流れが固定」みたいな感じすかねえ。

いや、もちろんどこかで修正は入るとは思うんですけど(それでそれがどこかは僕には解りませんけど)、ともあれ、絵に描かれた餅が実際に餅として、しかもより美味しそうな形で出されたときの衝撃というやつを見ました。日本じゃ珍しいんじゃないかなあ。根回し慎重にやって「サプライズ」はあんまりしない、ってのが日本スタイルだもんね。もちろんサプライズは外に対してで、内側に対しては事前に十分な根回しがあったんだろうと思いますけど(金融政策決定会合のメンバーの殆どは白川さんの時に選任された人だから)。

Kuroda takes markets by storm – FT.com

Short of driving an open lorry full of cash out of the central bank’s gates, it seemed there would be little Mr Kuroda could do to satisfy the army of traders that had sold the Japanese currency and bought stocks in anticipation of aggressive new easing.

In the event, however, he delivered more than almost anyone had predicted. While he did not scatter money from the back of a Toyota, he came about as close as a central banker might dare. And just as importantly, he did it with the overwhelming support of his nine-member board.



今後についての話を拾ってみると、

円が対ドル・ユーロで大幅安、日銀の大胆な金融緩和で | マネーニュース | 外国為替 | Reuters

BKアセット・マネジメント(ニューヨーク)のFX戦略マネジングディレクター、ボリス・シュロスバーグ氏は「これは昔の日銀ではない。資金供給量を2倍に増やし、あらゆる非伝統的な政策を積極的に実行するという姿は、彼らがドル/円を本気で100円に持っていきたいことを示唆している」と述べた。

ノムラ・セキュリティーズ(ニューヨーク)のFX戦略グローバル責任者、ジェンズ・ノードビグ氏は「日銀の発表は市場関係者のほとんどの予想よりも大胆だった」と指摘した。

その上で「これは今後数カ月の資産配分の変化を方向づけるものだ。最近数週間、われわれは円の取引から離れていたが、国内の資産運用担当者が新年度に入り、日銀による前例のない政策の積極性を背景にして運用姿勢を変え始めているので、新たな円安の素地が整っている」と話した。



つうことで、「100円超え、あるで」ということみたい。

さてどういう結果になりますか……



ユーロ/ポンド

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執筆現在でユーロが125円30銭、ポンドが147円50銭。前回書いた3/9のレートが、ユーロ124円63銭、ポンドが143円45銭だったので、実はユーロは1ヶ月前とあんまり変わってない。ECBが頑張ってるということかな。柔軟な金融政策の実施が難しい中追加緩和も発表されたし注目されるところ。

ポンドの方は……どうなんでございましょう。イギリス経済って何かあんまり話題になんなくてわかんないっす。

キング総裁またも敗北か、刺激拡大見送りの公算-英中銀政策委 – Bloomberg

マーク・カーニー次期総裁就任を3カ月後に控えた今回の見直しは、より大幅な緩和を後押しするには力不足かもしれない。MPCの大多数の委員は、MPCの柔軟性が高まることで金融政策の焦点がぼやけると受け止められ、インフレをめぐる中銀の責務に対する信頼が揺らぎ、ポンド安につながるのではないかと懸念している。

英中銀に勤務した経験があり、現在はソシエテ・ジェネラルの英国担当チーフエコノミストのブライアン・ヒリアード氏は「MPC委員がポンド安のスピードとそのインフレへの影響を心配しているのは明白だ」と指摘。「カーニー氏の就任をMPCがただ待っていることにしないのは大事だが、生産ギャップがなお大きい一方でインフレも問題として残っているというのが基本的な状況だ」と述べた。


もともと経済が不調というのもあるけど、中央銀行総裁の交代時期で、今はレームダック状態ってことですかね?「新しい総裁が着任する7月には追加緩和されるかも」みたいな話なので、ポンドの情勢はしばらくこのままなのかもしれませんなー