HANGING IN IRAN

2007年から毎年行っている世界報道写真展も6年目ですが、今年はいつもの年とは違う感覚を持っていました。行きたいような行きたくないような行かなくてはいけないような、現地について入場してからも目の前の写真に圧倒されているような集中できていないような。


それは、最後にどんな展示がされているかが、わかってしまっていたからです。


僕は、涙をとどめることが出来ませんでした。


周りに人、いっぱいいたんですけどね。最終日だったし、日曜日だったし。


なんかね、葛藤みたいなものはあるんです。「日本で起きたことだから」という理由でそれだけを特別に感じるのはダメなのではないか、世界で何が起きているのかにもっと目を向けていかないとダメなのではないか。それはその通りだし、被災地の深刻さは写真に捉えられているような印象的な絵ではなく、もっとねっとりと深刻なものでこの程度で解った気になってはいけないのではないか、とも思います。思うんですが、どうにも無理です。無理でした。

その、最後のコーナーに入るまでは色んな事を考えていたのですけどね。エジプトもリビアもシリアも、「民衆が自由を勝ち取るための行動」という一面的な状態ではなく、様々な組織による主導権争い、利権争い、構造的な不満などが充ち満ちた「解決」のない状態の中で、自国を形作ってきた文字通り偉人でもある指導者を血祭りに上げることで一時的なストレス発散をしているに過ぎないんじゃないか、とか、虐げられそれでも強く生きていく人たちと自分の境遇の差とか、とても心に強く刺さる多くの写真があって。


だけど、無理でしたね。


上でお借りした写真は、まるで中世に戻ったかのようなイランの絞首刑を見物する人々。何もかもが違いすぎて理解できませんが、よく見るとそこに映った人達の表情が、笑顔あり不安な顔あり表情を無くした顔あり…「残酷だ」「現代的でない」などといった言葉で一口に表現できない、複雑な社会情勢が透けて見えます。

今年の僕の第1位はこれでした。




残念ながら2012年の日程は殆ど終了してしまっていますが、まだ滋賀県草津と大分県別府では見ることが出来るようです。お近くの方は是非足を運んでみて下さい。

開催概要 世界報道写真展2012


また、日本語サイトの方は朝日新聞による簡単な開催概要だけですが、「World Press Photo」のサイトの方では入賞した全作品と、スペースの都合で2-3枚の選抜になった組み写真の全写真が閲覧できます。世界報道写真展を見に行った方はこちらもチェックしてみて下さい。

World Press Photo | 2012 WORLD PRESS PHOTO
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