経済用語。

飽和市場や衰退市場において、他社が相次いで事業撤退した後、耐え抜いた企業が残った市場を独占的に獲得し利益を上げること。
 


ニュアンスはわかるけどなーと思ってたらそのままでした。いわゆるひとつの「Last Man Standing」。「俺とお前、どっちが最後まで立ってられると思う?」っていう殴り合い。とにかく生き残ればよい。至上命題:サバイヴ。熱い。熱すぎる。

2種類のニュアンス

きっちりとした定義がなされているかどうかはよく解りませんけれども、調べてみた感じでは「残存者利益」には2通りのニュアンスがあるような気がしますね。

つまり、

  1. M&Aや値下げ合戦などで体力を削りあった結果最後に生き残ったプレイヤーが全取り
  2. 各プレイヤーが撤退戦を繰り広げる中、諸事情により撤退が遅れた(または遅らせた)プレイヤーが結果として利益を得る

っていう感じ。

どっちも大体同じだけど、前者は市場飽和→戦争勃発、後者は市場自体の縮小→撤退なので印象レベルですがちょっと違いますかね。



利益の大きさと参入障壁

まぁ「残存者利益」が大きいかどうかには、参入障壁の高さも関係しそうなので、例えば飲食とかガソリンスタンドとかその他低資本で始められる商売とか、そういうのだとあんまり意味がない感じ。逆に普通に始めても常識的な範囲内では利益幅小さくてやってらんねーよみたいな商売だと、結果的に誰も参入しないので「残存者利益」が大きくなるみたいです。

インスタントカメラとかそんな感じっぽいですね。

大西 宏のマーケティング・エッセンス:チェキ好調! これが残存者利益ですね - livedoor Blog(ブログ)

今さらインスタントカメラを大々的に製造・流通し始める企業なんか無いでしょうしね...


もちろんこの記事は2008年のもので、2009年12月の発表では2010年にポラロイドが復活の見通しと言うことなので、「残存者利益」は短期間で終了してしまいそうですけども(むしろ「特需」?)。

「ポラロイド」インスタントカメラ復活 「SX-70」復刻、プリンタ内蔵デジカメも - ITmedia News



実は極めて身近な話題 ... 残ったものの責任とか

音楽小売りの中の「アナログ・レコード」という市場は、今も現在進行形で衰退している市場(*1)でありまして、東京に本拠を置く有名各店の地方店舗撤退とか、資本提携とか、リストラとか、なんかそんな噂もよく流れたりとかしてます。大きな泡が弾ける度に小さな泡がいくつか生まれて、成長したり、消散したり。

市場が萎んだからプレイヤーが減ったと言う論理は、背中合わせに「プレイヤーが減ると影響力が減って市場はさらに萎む」という論理も持っているわけで(秋葉原とか靴屋ばっかり集中してる商店街の一角とか想像するとわかりやすい)、不安だし喜ぶことは何もないんですけど、現実的かつ近視眼的な話で言えば「残存者利益」というのは確かに存在していてプレイヤーが減ればその分その何割かくらいは流れて来ます。


ただ本質は「流れてくるのは何割かしかない」のところにあり、それはつまり「何割かは買うこと自体を止めてしまう」ってことです。日常どうしても必要ではないものに真の意味での「残存者利益」なんか無いんじゃないかとか。

止めてしまう理由は興味を失ったと言うことなのだと思うのですが、その一部には「自分の好みのラインを扱ってくれる店が無くなった」と言うのもあったりします。それはもう極めて属人的な話なので、完全にフォローするのは無理なんですけども、例えば音楽の多様性という視点で考えれば残った人間としてはそういうコミットの仕方も大事かなぁと思ったり。


いやもしかすると、「どんどん死滅して入れ替わっていくものが案外文化そのもの」なのかも知れないので、そんなの思いこみかも知れませんけれどもね。



*1 ... 念のため書いておくと、実感では前年比10%減とかそういうレベルではないと思います。コンマ何%とか。そもそも母数が大きくないので、減り方はもっとゆっくり。CDが無くなってもアナログ・レコードは残るんじゃないかとか。