京都四条寺町から南の寺町通りは、かつては電気屋が軒を並べて活況を呈していたもんですが、郊外への大型電気店の出店やWeb通販の発達などにより徐々に数を減らしていて、現在ではきちんと電気屋と呼べるのは数店舗。僕が行くPCパーツ店も数が減るばかりで、今そう呼べるのは「ドスパラ」「コンプロ」「TWO TOP」の3店舗のみ。先日修理のために買い出しに出かけたらJ&P(Joshin)が閉店しておもちゃ館になっていて、これで家電量販店のPCショップは全部閉店と言うことに。あらー。寂しい限り。
こういう状況にあって、鎬を削ってきた競合各店がライバルが減って喜んでいるか…といえば、実は全く逆で、正常な感覚の店員であればこういう状況に危機感を持って当然です。秋葉原にせよ、大阪日本橋にせよ、そこが活況を呈している理由は同じような系統の店舗が集まっているから、です。それによって街全体で空気感を作ることが出来、客を引きつけることが出来ます。

今の寺町のように電気屋が減っていけば、それまで、

「冷蔵庫を買おうと思ってるんだけど。」
「家電?京都だったらとりあえず寺町だねー」

なんて言って成立していた会話が、

「冷蔵庫を買おうと思ってるんだけど。」
「家電?今度の休みに大阪行こうか」

なんていう会話に変わっていくわけです。必然客足は遠のくばかりで、残された店舗は競合店が減ってうはうはどころか自らも撤退を検討する羽目になります。家電業界にとっては、ほどほどの競合はむしろ客の流れを作り出すのに有用といえます。無いと困ると言えるレベル。



一方で、そういう競合が全く必要のない業界もあります。

例えばファーストフードとか。

ある地域にファーストフードがまとまって建っているからと言って、その地域がファーストフードを食べるときの優先選択先とはなりません。そんなのどこで食べても一緒ですから。同様に、コンビニなんかでもそうです。色んなコンビニが揃っていて便利だからその地域まで出向くというのは、「家のすぐ側に何でも揃う便利な24時間営業の店舗がある」というコンビニの存在意義に反します。地域に属していない以上、競合店の存在は単にその地域での自らの利益を奪う相手でしか無く、競合店が減れば減るほど客は自分の店舗に集中することになり、売り上げに寄与することになります。

こうした業界においては、競合店は不要です。



単純に「競合店=自分の利益を奪う相手=敵」と考えるムキが一部にあって、敵失を自分の利益のように考える人もいますが、実際にはそうばかりとは限らないわけで。競合店と共存し、ある意味でお互いがお互いを育てるような環境になれれば、それはきっとお互いの利益になるはずです。レコード屋で言えば、下北沢とかね(以前は渋谷もでしたけどね)。

こういう考え方や感覚ってのはビジネスだけに限らず、きっと社会全般でもかなり頻繁に見られることなんじゃないかと。全部が全部そうだとは言いませんけれどもね。でも大事なことだと思います。

共存共栄。