最近、宗教団体「幸福の科学」を母体とする政党「幸福実現党」の街頭での活動が活発で、核武装と北朝鮮への即時反撃、贈与税と相続税の撤廃などの面白公約満載で非常に鬱陶しいことこの上ないのだけど、チラシにもWebにも堂々と幸福の科学の政治団体だと書いているのを見て、そう言えば「政教分離」って日本ではどういう決まりになっているのかなと疑問に感じたので調べてみた。
とりあえずは、Wikipedia。

日本の政教分離 | 政教分離原則 - Wikipedia


日本国憲法に「政教分離」の言葉はないが、根拠として日本国憲法第20条1項後段、3項ならびに第89条が挙げられる。

日本国憲法二〇条
一 信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。
三 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。
日本国憲法八九条
公金その他の公の財産は、宗教上の組織若しくは団体の使用、便宜若しくは維持のため、……これを支出し、又はその利用に供してはならない。


したがって、政教分離の具体的内容とは次の通りである。

  • 特権付与の禁止 - 特定の宗教団体に特権を付与すること。宗教団体すべてに対し他の団体と区別して特権を与えること。
  • 宗教団体の「政治的権力」行使の禁止(「宗教団体の政治参加」を参照)。
  • 国の宗教的活動の禁止 - 宗教の布教、教化、宣伝の活動、宗教上の祝典、儀式、行事など(「目的効果基準」を参照)。


憲法をどう解釈するかについての部分はあくまで有識者の解釈および現在の運用であって、それがそのまま何らかの法律や制限、罰則などに繋がっているわけではないのだけれども、ともかく認識としてはこんな感じということらしい。単語はないけれども政治と宗教との関わりに対する規定みたいのは行われているのね。



続いて同項目内の「宗教団体の政治参加について」を見てみる。


宗教者個人の政治参加としては、日蓮宗の僧籍を持ったまま総理大臣に就任した石橋湛山や、神主の身でありながら衆議院議長になった綿貫民輔、聖書の言葉をよく引用するほど敬虔なクリスチャンだった大平正芳など多くの例をあげることができる。(中略)このように、日本においては、宗教者個人の政治参加までは否定されていないというのが、与野党問わず一般的な考え方であると言える。

政治団体として候補を擁立して政治に参加することは議論になりうるけれども、政治家個人の宗教については問われないということらしい。



ただ実際問題どの辺が個人で、どの辺が宗教団体の意志かという部分は曖昧なわけで。それはもちろん公明党の是非にも関わるんだけれども、その辺の判断は裁判所では「目的効果基準」という基準で判断されるらしい。

津地鎮祭訴訟において最高裁は、宗教は個人の内心にとどまらず外部的な社会現象(教育・福祉・文化・民族風習など)をともなうのが通常なので、「国家と宗教の完全な分離は、実際上不可能に近い」として、いわゆる「目的効果基準」に従って国の宗教的活動の違憲性を判断するべきと判示した。これは「行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になる」か否かをもって、憲法20条3項にいう「宗教的活動」に抵触するかどうかを判断するものである。

はてなキーワードからも引用。

日本国憲法の定める政教分離原則に適合しているか否かを判断する最高裁判例の採用する司法審査基準。

津地鎮祭訴訟最高裁判決(1977年7月13日民集31巻4号533頁)で初めて示され、以後、最高裁および下級審の審査において踏襲されている。

最高裁によれば、政教分離規定は信教の自由を間接的に保障するもので、制度的保障の規定であるとし、しかも国家が宗教との係わり合いを持つことは不可避で、完全な国家と宗教の分離を貫くことは実際上不可能に近い上に、政教分離原則を貫こうとすると、宗教系の私立学校にだけは私立学校の助成を行えず、文化財である神社、寺院、仏像などの維持保存のために補助金を出すこともできないことになるなどの不合理な事態をも生じさせる。それゆえ、政教分離規定は、国家が宗教とある程度の関わり合いを持たざるを得ないことを前提として、その行為の目的及び効果にかんがみ、その関わり合いが相当とされる限度を超えるものと認められる場合にのみ許されないものと解すべきである、とする。
 


つまり簡単に言えば、宗教団体および宗教団体と密接な関係のある政治団体の政治への参加そのものではなく、その団体が政治の場で実際にどんなことをしたのかということを基準に良し悪しを判断しようということのようです。なるほどね。




以上をまとめて考えてみると、

  • 「政教分離」は日本国憲法を根拠としている
  • 政教分離に違反するかどうかは、政治団体の宗教色ではなく実際に行われた行動について判断される

ということになるわけで、当然、

  • 政治団体が特定の宗教団体との密接な関わりを明言しても政教分離には抵触しない
  • 候補者が当選などした後、政治活動を行うに当たって特定の宗教団体に便宜を図るような活動をした場合には、違憲と判断される可能性が高い

ということになるのかなと。つまり幸福実現党は政教分離的な側面で見てみると特に問題はないのね…

まぁ中身がアレだから大丈夫だと思うけどな!