劇団ロヲ=タァル=ヴォガの公演を見てきました。
長いこと演劇を見に行く機会もなかったんだけど、友達に誘われたので。

分かり易い一本道のストーリーのある演劇というよりは、
1つのインスピレーションに導かれた1つのテーマに沿って、
様々な印象が音楽とともに語られる、そんな演劇。


僕なりに印象を整理すると、死に対する恐怖とそこから逃れようとする思いの狭間で、
死の対象者であれ、それに随伴する人間であれ、人々が何を感じているか、
そしてどんな印象を受けどう生きていくかということを、
死ぬことによってその恐怖から解放され、存在としては『生きている』ミイラと対比させることで、
強く印象づけている…そんな感覚。

難しいけど解りやすい、解りやすいけどわからない、そんな感じの2時間でした。


面白かった?と言われるとそれもよくわからないけど、
2時間の間演劇を目にしながら色んなことを感じ、考えされられたし、
きっと何かの拍子にこの印象が何かに繋がるんじゃないかな…と思う。

うん、面白かった、と思います。



個人的には、隣国での戦争を描いているシーンの中で、
現地の女性が内通している場面を描いている1カットの部分に演出の誠実さを感じました。
本当はその部分をカットして、一般的なステレオタイプに沿ってしまった方が、
より善悪がはっきりし、登場人物の心象への印象が色濃くなるだろうとは思うのですが、
大事なことはその印象の濃淡ではなく、むしろその曖昧さが象徴するような、
漠然とした死への印象なのだろうと思うのです。
正しいか正しくないかとは関係無しに、漠然とした存在として誰の上にもあるものなのだろうと。