正月にやってた番組、『びっくり!新世界地図 』の中で、
ロシアで、急増している日本料理店の特集をやっていた。
これがねぇ、非常に面白かった。

元々ロシアには日本料理店はあったのだけど、
値段が高いので、『高級料理』という位置づけで、店舗数も少なかった。
ところが、寿司などを安い価格で提供する日本料理チェーン店が出てきて、
ヘルシーさなどが注目されたことも相まって、急増。
モスクワだけで、400店舗以上あるらしい。

すげー。

ざっくりとした番組の紹介はこの辺のエントリに。

1月1日の夜中に放送した「びっくり!新世界地図」

ロシアが日本食ブームなんですって。その中でも気になったお店がこちら↓

 

この中で、ロシアにおいて、日本食がもの凄くカスタマイズされてることを知って驚いた。

最近、農水省が発表して話題になってることの1つに、
海外の日本料理店に対して、
『きちんと作っているところにお墨付きを与える』というものがある。

1 名前:諸君、私はニュースが好きだφ ★ 投稿日:2006/07/01(土) 20:25:17 ID:???0 和食ブームのフランスで「本物の日本食レストラン」に「お墨付き」を与える制度が今年から始まる。似て非なる料理を出す店が増えており、「真の日本の味とサービスを見分けてほしい」と日本貿易振興機構(ジェトロ)パリ・センターが創設。グルメガイド「ミシュラン」にならって覆面調査員が店を回って採点するという。
 

要は、海外の日本料理店の多くが、中国人や韓国人(ないしは現地人)によるもので、
日本の文化が誤解されている…ということらしい。

ただし、日本の文化に忠実でないものを排除する、ということではなく、
オーナーや料理人の国籍は問われていないし、
むしろ日本の文化を保護するということが主目的のようだ。
(多くの論説では、外国人を日本食から排除すると曲解されているが)


それに対して、疑問を呈した毎日新聞の論説。

海外の日本料理店で出される「ちょっと変わった日本食」を“選別”する制度を、農林水産省が検討している。背景には日本食材の輸出もあるようだが、お役所が味付けにまで注文を付けることに疑問の声も少なくない。本当にそんな制度は必要なのだろうか。【位川一郎、バンコク浦松丈二、パリ福井聡、ニューヨーク高橋秀明】
 

これもやっぱり、

『日本食外国の文化と融合して何が悪い』
『文化とは常に混じり合うものだ』

と言うような論陣を張っているようだ。
それはそれで良いと思うよ。
全く否定はしない。

それは、最初に上げた、ロシアの日本料理店を見ても思った。
確かに似てもにつかない料理が出てるけど、
それぞれが、ロシアの文化を反映して、輝いて見えた。
日本の文化が汚されていると言う嫌悪感よりも、
日本の文化が受け入れられ、吸収されているという喜びの方が大きかった。


ただ、問題は、そういうことじゃないんだよな。

それが日本料理か?と言われたら、それは日本料理ではないでしょ。

例えば、毎日新聞の論説の中で、

カリフォルニア州生まれのシェフ、マイケル・バーノンさん(37)は「素材の良さを生かす日本食に敬意を持っている」と日本食の「哲学」が宿っていることを強調。

と言う記述があるけれども、
それは別に日本料理の哲学じゃないよ。
外国の料理人がどれだけいい加減か知らないけど、
しっかりとした料理を作る日本人料理人なら、それは普通じゃないの?
その哲学だけで、日本料理、と言ってしまうのは随分乱暴だ。

同じく、この部分についても、

米国人放送プロデューサーのデーブ・スペクター氏も「日本こそ外国の料理をよりおいしくアレンジしてきた素晴らしい歴史がある国。ハヤシライスにカレーライス。(後略)」

それは詭弁。
日本人は、ハヤシライスをフランス料理、
カレーライスをインド料理と言って売っているわけではない。

僕は、この施策に対しては、基本的には賛成だ。


ただ、日本国内で一般的に知られている日本料理以外は認めない、というような、
『排除』思考は持つべきではないと思う。

文化は自分で意思を持って変化し、制御できないと思うし、
日本料理の枠を定めてそこへ押し込むことには、何の意味もない。

料理人が誰であれ、出てきたものがどれだけ珍妙だったとしても、
日本料理をベースにしたものなのなら、
それを日本料理と呼んでも良いと思う。
それに、そもそも美味そうだったし(笑)

そもそもが、日本でさえ、『創作料理』という名前で、
いろいろな料理の手法の交換が行われているというのに、
海外に対して、それを改めよ、とか言うのは筋違いも良いところだ。
伝統なんてものは…守りたいヒトは守ればいいし、
壊したいヒトは壊せばいい。


でも、そのことと、この施策とは共存しうると、僕は思う。


排除的思考ではなく、基準点を示すというようには考えられないだろうか?
個人が、何を作り、どのように売り出してもそれは自由だが、
日本としては、これが日本料理の基準です、と示すのは無意味なことではないと。
消費者の選択からすれば、有意義なんじゃないのかなぁ。

そう言う意味で、優良だの、不良だのと言う決め方がだめなんだよな。


自信のある料理人は申請して下さい、という程度の形で、
なるべく幅のある評価をつける
── 例えば日本食と全く違っていても、
上手くその国の文化と融合していれば、
それを評価するような基準を設定するとか ──
位のことが良いんじゃないだろうか。

案外、もっと面白くなる可能性を秘めてると思うんだけどな。