携帯電話におけるローカルな状況。

携帯電話について語られるとき、よく指摘されるのが、
日本は、特殊性を進歩的と履き違えていることがある、ということ。
例えばUIにしても、自分たちが慣れていないからグローバルなものはダメだ、
等という論調が多いのは、結局はただ習慣に固執しているだけで、
実際には、もっと技術の熟成が進めば、プラグインの開発など、
ソフト面でより柔軟な開発が出来るようになるわけで、
自らをベストと言うような姿勢はいかがなものか…(以下略)
というようなこと。

ああ、出典は記憶が曖昧なので、揚げ足とらないで下さいね。
そんなことは誰も言ってない、根拠を述べよ、なんていう発言が
恥ずかしくらい、だとは思います。


んで、まぁ別にどうだっていいんですけど、
例によって、ITMediaを見てたら、
『携帯メーカー・キャリアに望むこと10カ条』と言うコラムが掲載されていまして。
筆者のGrace Aquino氏(PC World.com)が、
現在の携帯電話に対して、10の提言をしていました。
10カ条ってのは以下の通り。

1. 全体的に性能を改善してほしい(もっさり感)
2. 特に音声通話に関して、ネットワークのカバー範囲を改善してほしい
3. キャリアのサーバで全データをバックアップしてほしい
4. GSM携帯のロック解除を簡単にしてほしい
5. スピーカーとマイクを強化してほしい
6. ユーザーインタフェースを簡単にしてほしい
7. USBポートをつけてほしい。USBケーブルも
8. Bluetoothのあらゆる機能を有効にしてほしい
9. 端末にモデル名を書いてほしい
10. 設計を改善してほしい


まぁ、どれももっともな提言なのだけど、
記事をよく読むと、そのうちの半数くらいは日本では解決されている。
例えば、7,8は、3G端末では搭載されてきているし、
9は、多くの端末で実現されている(海外と違って、キャリアベースな
開発だからかもしれないが)

1は、ああ、もっさり感ね、と思うけど、文章中、
わたしがテストした携帯電話の多くは、番号を入力するときに、ほとんどスローモーションで電話をかけているような感じになる。

とあって、我々日本人が感じているもっさり感とは
程度が違うということが分かる。
僕らのもっさり感てさ、何か機能やメニューを呼び出すときだよね。

2に関しては、もちろん日本という狭い国土のおかげもあるが、
地上地下問わず殆どの場所で、電波入るでしょう。
まだ3Gは厳しいかもしれないけど、
入らないことにびっくりするような環境にはなっているんじゃないか?

4は日本とはシステム的な違いがあるので省略。
3、5は確かにもっともなんだけど、
えーと、機種の問題で音声通話が困難、っていう状況にぶち当たったことはないなぁ。
大抵は電波の問題であって。
会社で使ってるIP電話が、びっくりするくらい聞きづらくて、
正直、また安物買いでだまされてるんじゃないかと思うけど、
それに比べれば携帯の通話なんて十分すぎる。

6は…賛否両論だけど、見た感じ、海外の端末の方がよりPCチックな気がする。
どうだろうね、日本の携帯は決して、
ビジュアル的に先進的なインターフェイスではないかもしれないけれども、
使いやすさという点ではわかりやすいんじゃないだろうか。
まぁ、この点は改善の余地もあるだろうから、
(そして慣れ…という問題もあるから)
日本を持ち上げるのはよそう。
ただ、外国人も、海外キャリアのUIに満足しているわけではない、ってのは、
大事な意見かと。

最後に10。
確かに、設計は日本でもまだまだ、改良の余地がありそうだ。
Grace Aquino氏の、側面に音量調節ボタンを、というのは良いアイディアかもしれない。
(ポータブルラジオの音量調節ダイヤルを想像した)
でもなぁ、鞄の中に入れてて、
電話が鳴って受けたら音量最小とかありそうで心配だ(笑)


まぁ、これをピックして何が言いたいかというと、
別に特にこれと言ってないけれども、
ああ、日本の携帯はやっぱり、一世代分くらい進んでるんだなぁ、と思った次第。
あながち、日本人がこだわりすぎ、ということもないんじゃない?とね。