強さ。優しさ。

意識的、無意識的にせよ。求められていたのはなんだったか。求められているのは何か。それを考えるとき、僕は虚像──例えばそれは『男らしさ』──から逃れられない。
男として求められるもの、それは例えば、抽象的に言えば、強さと優しさだったりする。俺に両方備わったことは、多分ない。
強くて冷たいか、今のように優しいが弱っているか。いずれにしろ…完璧ではない。もちろんこれを望まれているかどうかは、人によって違うけど。
ただ、今の俺は、少なくともある部分では自分以下だし、ある部分では自分以上に変わろうとしてる。特に負担には思わないけど、いやそもそも誰かの感性に媚びること、が自分らしくないのかもな。
すこしだけ思っていることは。自分は自分でいればいいんだと。
先月、親といたとき。隠しても無駄、とにかく明るくいる俺が俺らしい。それを心の底から思った。この人には格好付けても仕方がない。
友達とも仲良くし、広がる輪を喜び、一方で大事なもの──大事な友人や大事な場所──は丁寧に扱う。
決して、『昔の自分』に戻ろうとしてるわけじゃない。ただ、自分がしんどくない、そんな過ごし方を求めてる。それがたまたま、その頃の俺だった。それだけかな。
生きてるんだもの。たまには凹むさ。でも俺は俺。いろいろあって動揺して、自暴自棄になったり、ひどく邪険になったり、感傷的になりすぎたりした。でも、少し、『パワー』が戻って来たのを感じてる。生きていこう、今日も。回り回ってやっぱり俺は変わらない。
そうだよね、そうなんだ。